本山勝寛 4kizフォーキッズ代表 公式ブログ | Katsuhiro Motoyama's Official Blog

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団で教育、国際支援、子ども支援事業に携わり、EdTechスタートアップを起業。 子供向けSNSフォーキッズを立ち上げる。『好奇心を伸ばす子育て』『最強の独学術』等著書多数。6児父4回育休。

教育論

貧乏人の私は奨学金のおかけで東大・ハーバードに行けた〜子どもの貧困と奨学金

(145)今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。: 貧困の連鎖を断ち切る「教育とお金」の話 (ポプラ新書)作者:本山 勝寛出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2018/02/09メディア: 新書 最近、奨学金の滞納問題に関する記事が目立ち、負の部分にばかりスポットが当…

韓国の学習マンガが世界を席巻している件

今、日本の小学生の間で流行っている本をご存知だろうか?図書室では予約待ちが殺到し、友達の間でも「次はぼく!」「次はオレ!」と言って、競い合うように回し読みされているほどだという。それは本というよりマンガだ。そして、ただのマンガではなくいわ…

アメリカ最大のチャータースクールKIPPとは?

先日は全米で就職人気ランキング1位に輝いたTeach For America(TFA)と、それに象徴される米英でのNPO人気について書いたが、そのTFAからスピンアウトし、アメリカ教育界に旋風を起こしている取り組みを紹介したい。「KIPP」(キップ)と名づけられたチャータ…

卒業おめでとう!東大総長のスピーチ

各地で卒業式が行われている。卒業生の皆さん、おめでとうございます。 東京大学でも26日に卒業式が行われ、その様子が報道されていた。報道によると、濱田純一総長は「グローバル化が進むなか、タフさというものが重要になっている。目先のことに一喜一憂し…

英語教育を抜本的に変える3つの方法

TOEFLの大学入試と国家公務員総合職試験への導入が本格的に検討されることになり、学校現場においても、英語学習の質の向上がにわかに課題となりそうだ。そこで、日本の学校における英語教育の改革試案を考えてみたい。1)日本人の英語教員のレベルアップ …

楽しんで学べる博物館の活性化を!〜“国営マンガ喫茶”案を一大ミュージアム構想に

先日、子どもたちを連れて、上野の国立科学博物館に行ってみて驚いた。想像以上に面白かったのだ。博物館と聞くと、古臭いものが学術的に、面白みなく展示されているというイメージがある。だから、子どもたちを連れて行く先も、これまでは動物園や水族館が…

大学入試と高校授業にTOEFLの導入を!〜最年少民間校長を支持します

日本人の英語力、特にリスニング力とスピーキング力の弱さはいつも指摘されるところだ。私自身も、小学校から大学卒業まで日本の公立学校で英語を学んできた者として、例にもれず両者が大の苦手だ(った)。たとえ東京大学に合格するレベルだとしても、まっ…

友情と勉強は相反するのか?〜韓国で話題騒然の「友情破壊広告」を受けて

韓国で大手塾のこんな広告が物議をかもしているらしい。 「新学期が始まったから、君は友情という名分で友達と遊ぶ時間が増えるだろう。そうなると君が計画した勉強は後回しになるよね。でもどうする? 大学入試の試験日は後回しにできないよ。もう迷っちゃ…

友情とインキュベーション〜伝説のボロアパートから現代への警鐘

前回の韓国の大手塾広告を題材にした「友情と勉強」の記事が思いのほか反響があった。先日から参加しているブログメディア「BLOGOS」での記事アクセス数が1万を越え、ランキングでは全体で2位、ライフ部門で1位になった。 おそらく、韓国のつっこみどころ…

学びのグローバリゼーション

最近2つの気になるニュースが届いた。 1つは新聞の一面にもなった、東大が他大学に呼びかけ秋入学を本格化させるというニュース。 海外からの留学生を受け入れやすくするというのが肝で、高校卒業から大学入学までの半年間を海外体験やボランティア活動な…

別府の「立命館アジア太平洋大学」

ハーバード留学時代に日本に来ている留学生の数を県別で調べたことがある。すると、東京が多いのは当然なのだが、私の地元である大分県が人口のわりにはなぜか突出して多かったことに驚いた。その理由が、別府にある立命館アジア太平洋大学(APU)だ。 A…

ミャンマーで学校作り

「教育こそ自由の実践である」―ハーバードで教育を学んで最も印象に残った言葉だ。 最近、そのことが実感として、あるいは逆に皮肉として感じられたのがミャンマーの学校。私の勤める日本財団ではアジア各国の辺境地域で学校建設を進めているが、その中でも…

陰山英男氏と対談

「百ます計算」などで有名な陰山英男氏と雑誌対談を行った。 陰山氏は「百ます計算」「読み聞かせ」などの反復学習や「早寝早起き朝ごはん」といった生活習慣の確立を教育の根幹において教育改革を進めている。私も前々から関心があり、共感するところが多か…

素手でトイレ掃除「便教会」〜トイレの神様

先日の産経新聞朝刊で面白い記事が掲載されていた。 「便教会」 教師も生徒もトイレで向き合う 素手・素足で2時間ゴシゴシ… 「1人1便器。2時間集中して、いい汗を!」。大阪府立阿倍野高校(大阪市阿倍野区)で開かれた「第23回大阪便教会(べんきょう…

「勝先生の受験に勝つ!」

書きたいことはいろいろあるのですが、だいぶ更新が滞っていました。 近況として、ベネッセが会員に発行する「My Style」(中3)という会員情報誌に私の監修したページが掲載されました。企画のタイトルは「勝先生の受験に喝(勝つ)!」 私の名前、本山勝…

ハーバード進学塾をベネッセが始動

ベネッセが遂にハーバード進学専門塾を始めた。その名も「Route H」。報道によると、 「Route H」は、「英語力育成」「出願対策」「現役学生との交流授業」を3本柱に、定員15名の少人数制の塾形式で提供する。授業料は、1人あたり年間150万〜300万円。 この…

進研ゼミで連載!

「チャレンジ」や「進研ゼミ」で有名なベネッセの会員用月刊情報誌「MyStyle」に企画連載することになりました。 今日は担当者の方と打ち合わせをしました。企画の対象となるのは高校受験をひかえる中学3年生。進研ゼミの中3会員は約20万人でその…

NYタイムズが韓国の高校を取材

いま韓国に来ているので、韓国の教育ネタを。ずいぶん前にも書いたが、韓国の英語熱、留学熱は非常に高い。 そして、韓国で今最も人気のある高校が、国語と歴史以外は全ての授業を英語で行う「ウェゴ」と呼ばれる外国語高校や民族史観高校など。ハーバードを…

フィンランドを世界一に導いた29歳の教育大臣

OECDが実施している国際学力調査PISAは、日本でも、その順位が最近軒並み下がっていることで有名になったわけだが、逆に各教科でトップに立っているのがフィンランドだ。その教育の秘密を知ろうと、世界の教育界ではフィンランド詣でが進んでいる。…

講演会大盛況!

昨日、NPO主催の講演会で「日本の教育、世界の教育」と題しまして、講演を行ってきました。 強風の中、老若男女約70名の方にお越しいただき、心からお礼申し上げます。講演後には熱いディスカッションも繰り広げられ楽しいひと時を過ごせました。講演の中…

アートで学力向上 研究授業を取材

小学校での研究授業に取材に行ってきました。芸術活動を活用して教科学習の理解促進につなげるというカナダのプログラムを日本に紹介する試みです。 カナダのLTTA(Learning Through The Arts)というプログラムで、日本ではアートワーク・ジャパンというとこ…

日本の子どもに考え抜く力を

先述のデルタスタジオ渡辺健介さんといろいろとお話させていただきました。印象深かったのは、ご自身の問題意識をブレさせずに着実なカタチで準備・推進されている姿勢。もともと、子どもを対象に受験以外の教育をやろうとしてもお金にならないのは当然。そ…

一人の人に対して奇跡となる

「親が自分のどこに誇りを持っているか?」 と、子どもたちに聞いても、答えられない子どもがほとんどだそうです。親子のコミュニケーションの大切さはいたるところで謳われていますが、具体的にどんなコミュニケーションをすればよいのか、あまり具体論がな…

原点と夢

ハーバードに旅立つ前に、立ち上げに深く関わった教育プログラムに顔を見せに行ってきました。はじめたときは40名→60名くらいだったのが、2年目で100名になっていました。「いい目」をしていた学生たちも多く、本当に楽しみです。 やはり教育の現場…

教育者列伝〜サリバン先生

前々回の日記で障害者教育について触れたので、「奇跡の人」と呼ばれるサリバン先生についてちょっとだけ書き留めておきます。アン・サリバン先生は、言わずと知れた、三重苦を克服し世界的に有名になったヘレン・ケラーの家庭教師ですね。ヘレンケラーは現…

ハーバードをテストする

このブログでも、「ハーバードにいかにして合格するか」について連載して書いていますが、じゃあ、「ハーバードの教育って、他と比べてそんなにいいの?」という疑問に正解を出すことは、おそらくできません。 結局、ハーバードの教育レベルが高いからではな…

留学生100万人計画とソフトパワー

2025年までに留学生100万人計画、教育再生会議が打ち出しましたね、ブログでの反応を見ると批判的な意見が多いようですが、僕はこういう大言壮語は好きだったりします。現在、日本に来ている留学生は約12万人で、そのうち中国からが圧倒的に多く、約8万人で…

ブラック・サムライ@JETプログラム

「ソフトパワー」概念の親、ジョセフ・ナイ教授との日本ソフトパワーに関する意見交換会で、「ソフトパワーを効果的に高める政策の例としては、日本のJETプログラムがある」ということを聞いてから、このプログラムについて関心を持っています。海外のネイテ…

国際派教育者列伝①嘉納治五郎

こちらに来て改めて気になった「国際派」と呼べる教育者について紹介してみたいと思います。嘉納治五郎講道館柔道を創設した人です。柔道は日本の国技と言ってもよいスポーツ・武道ですが、一方で、サッカーに次いで世界で2番目に競技人口(約900万)が…

東大よりハーバード―エリート教育再考

最近の週間エコノミストで、「日本の秀才たちが選ぶ東大よりハーバード大」と称して、特集が組まれています。中身は読んでいないんですが、森田さんも出られていますし、この企画が引き金になっていることは間違いないんでしょう。「東大よりハーバード」っ…