教育論
またもや、奨学金問題をセンセーショナルなタイトルと偏った報道で煽る記事がネット上で拡散していた。 ネットメディアBusiness Journalの「武富士以上…若者を食い物にする学生支援機構の奨学金、えげつない取り立ての実態」という記事だ。以下、一部を抜粋…
「グローバル・エリート」という言葉が日本を徘徊している、気がする。少子高齢化とともに衰退していく日本全体に立ち込める不安感と、メディア・出版社の商業主義が合間って、「グローバル・エリート」な生き方ができなければ将来は危ういという煽りが、そ…
近年、奨学金の貸与者数・滞納者数が急増していることに表れているように、大学授業料が一般家庭の家計を圧迫している。どんなに働いても給与が上がらないのに、大学授業料が高騰しているためだ。国立大学は1975年の36,000円から1985年に252,000円、1995年に…
確定申告が終わり、配偶者控除見直しの議論が熱くなっているなか、桜が咲き入学の季節が始まるので奨学金問題について考えてみた。端的に提案したい。日本学生支援機構などが行う貸与型奨学金の毎年の返済分を、所得税や住民税の所得控除に算入できないもの…
「読書時間ゼロ 大学生の4割超える」NHK こんなニュースが流れていた。 大学生が本を読む時間は1日に平均で27分とこれまでで最も短くなり、全く読まない学生が4割を超えたことが、大学生協でつくる連合会の調査で分かりました。 この調査は全国大学生活…
日経トレンディの「100万部超えで図鑑トップに! 「動く図鑑」大ヒットの秘密」という記事がヤフートピックスに掲載され、話題を読んでいた。私もこれまで何度かイチ押ししている講談社の迫力映像付き「動く図鑑 MOVE」が累計でミリオンセラーになったとのこ…
賛否の渦巻く日テレドラマ「明日、ママがいない」。結局、日テレ側が文書で謝罪し、内容の訂正を反映していくと表明したことで、これまで抗議をしてきた全国児童養護施設協議会や慈恵病院も様子見に入り、事態は収束したかに見えた。しかし、前回放送第6回で…
NHKがこんな報道をして話題になっていた。 「よく遊ぶ子は賢くなる」調査まとまる(2月13日)「小学校入学前の子育てで意識していたこと」について尋ねたところ、偏差値68以上のいわゆる「難関大学」に合格するなどした子どもの保護者の35.8%が「思い…
今年の日本史のセンター試験に手塚治虫の漫画と文章を使った問題が出題されたというニュースが流れてきて、なんだか嬉しくなってしまった。 使われたのは、自伝的作品「紙の砦(とりで)」で、軍需工場に動員された主人公が隠れて漫画を描き続ける場面。満州…
日本テレビの児童養護施設を舞台にしたドラマ「明日、ママがいない」に抗議が殺到したことが話題になっている。施設の描かれ方が現実とはかけ離れたあり得ない演出になっていたり、「赤ちゃんポスト」に預けられた子どもが「ポスト」とあだ名をつけられたり…
センター試験が近づいている。受験生は緊張しながら勉強に励んでいることだろう。試験直前にもなれば、慌てて新しいことに手をつけるより、これまでやってきたことの確認や、本番当日と同じ時間割で過去問などを解いてみるのもよいだろう。2年生は先輩の受験…
奨学金問題について昨年から継続して投稿している。世の論調としては、「奨学金がサラ金より悪質」だとか極論ともいえる奨学金制度たたき(というより事実誤認)から、最近は徐々にフェアな論考が散見されるようになった。そのなかで一理ある指摘として、「…
2013年も残すところわずかとなりました。今年一年を振り返る意味で、2013年に本ブログ上で発表した提言のなかでも、少子化対策、子育て、および教育に関連する提言を「学びの革命10の提言」と称してまとめてみます。 ≪少子化・子育て関連≫1. 【CQアップと働…
先日、"東進、給付型奨学金「ハーバード大学留学支援制度」創設"というニュースが流れてきてびっくりした。初めに、年間500万円給付×4年間×10人という、その大判振る舞い振りに。そして、それ以上に、その制度設計のガラパゴス的なバカさ加減に。内容はこう…
先日、ブロゴス上で団藤保晴氏が「国際成人力調査で優秀だった日本の欠陥がまた判明」という記事でも引用していたが、「国際成人力調査」の知的好奇心に関する国際比較がいろいろと興味深かった。この分析を行ったのは教育社会学を専門とする舞田敏彦博士で…
エデュテインメント(Edutainment)という言葉がある。Education(教育)とEntertainment(娯楽)を掛け合わせた言葉で、娯楽に教育的要素を盛り込んだり、教育に娯楽的要素を盛り込むことで、楽しみながらいつの間にか学んでしまうといった手法、考え方だ。…
またこの手の極論か・・・と思わず溜息が出たが、奨学金制度を擁護する論者が他にあまりいないので、再度書いておきたい。問題の記事は、ブロゴスに転載されネット上で拡散された週刊金曜日の「日本学生支援機構の利息収入は232億円――奨学金はサラ金よりも悪…
先日、こんなニュースが流れてきて、一瞬ネタかと疑ったが、どうやら本当だったようで、愕然、を通り越して泣けてきた。 「Todai」じゃ通じない? 東大略称6年でお蔵入り(朝日新聞デジタル) 「トーダイ」から「ユートーキョー」へ――。東京大学の外国…
ガーナのカカオの実出張でガーナに来ている。今回初訪問である素人の自分にとって、ガーナといえばやはりチョコレートだ。大学の卒業研究を夜遅くまで研究室でしていたとき、ロッテの「ガーナチョコレート」を食べて空腹と脳の疲れを癒していた。ガーナはカ…
「人生の9割は親で決まる」ーーそんなタイトルのブログ記事がネット上で話題になっており、いろいろと興味深かった。 俺がまだまだ元気な両親から与えられたものはとてつもなく大きい ・家族の愛情 ・諦めなければ、どこからでも逆転できる この2つを身を持…
先日の奨学金に関する投稿はヤフートピックスで紹介されたこともあり、かなりの反響があり、コメントも多数いただいた。前稿で書いた通り、私は奨学金制度自体に「狂っている」というほどの問題があるとは思わないが、近年の貸与者の増加(何度も書くが返還…
国公立大入試の2次試験を廃止して、人物評価を重視した面接を導入しようという政府の教育再生実行会議の報道が話題になっている。日本の国公立大学の入試制度は、同一条件で一斉に同一の問題を解くため、公平性が担保されているという利点はある。たとえば…
(145)今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。: 貧困の連鎖を断ち切る「教育とお金」の話作者: 本山勝寛出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2018/02/09メディア: 新書この商品を含むブログを見るブロガーのイケダハヤト氏が「狂った日本の奨学金制度:大学卒業…
先日、北欧の子育て支援について書いたが、北欧は良質なおもちゃを作ることでも有名だ。デンマーク発のレゴは最も成功している例で、今や世界中の多くの子どもたちがレゴを体験して育っている。年間売上は3900億円と、玩具メーカーとして世界2位にまで上昇、…
最近、本屋の児童書コーナーに行くと、ものすごいラインナップで豊富にそろっているジャンルがある。子ども向けの図鑑だ。動物や昆虫といった定番のものから、世界地図や生活にまつわるもの、「くらべる」や「一番」といった切り口で勝負したものと様々だ。…
漫画「はだしのゲン」の松江市小中学校における閉架措置が話題になっていた。その是非の議論については他に譲るとして、せっかくなので、学校の図書室というか全ての図書館に置いてほしい、お薦めの「戦争」マンガを紹介したい。「戦争」とカッコ書きしてい…
先日、「五大陸ドラゴン桜」ことe-education代表の税所篤快さんと会って話をした。現役の早大生にして、バングラデシュで貧困層の高校生に自ら撮影した有名教師のDVD授業を無料提供し、地元トップであるダッカ大学合格に導いたのを皮切りに、ルワンダやガザ…
先日、東大の本屋に立ち寄ったら、『韓国のグローバル人材育成力』という新書が平積みにされていた。韓国のグローバル人材育成力 超競争社会の真実 (講談社現代新書)作者:岩渕 秀樹講談社Amazon安倍政権でも、大学入試や国家公務員試験にTOEFLの導入が検討さ…
今週のお題6月16日は「父の日」だ。父の日の由来を辿りつつ、私自身の父親観、そして河合隼雄とラピュタの主題歌とストーリーをヒントに、「父親の役割」とは何か少し考えてみたい。父の日の由来はアメリカにある。南北戦争復員後、妻を亡くし、その後に6人…
IQ(知能指数)よりもEQ(こころの知能指数)が重要だという話が一時期流行していたが、最近、新たな指数が注目されているのをご存じだろうか? ずばり、「CQ」である。CQは実は、人によって使い方が異なる。 最近、TIME誌が「最初はIQ、次にEQ。だけどCQが…