最近、本屋の児童書コーナーに行くと、ものすごいラインナップで豊富にそろっているジャンルがある。子ども向けの図鑑だ。動物や昆虫といった定番のものから、世界地図や生活にまつわるもの、「くらべる」や「一番」といった切り口で勝負したものと様々だ。実際、出版不況の昨今にあって、いま子ども向けの図鑑は大ブームにあるようだ。
2011年の図鑑新刊発行部数は195万部と、前年比6割増。2012年以降も順調に伸ばしているもよう。定番は小学館のNEOシリーズ。写真やイラストが豊富で、シリーズがたくさん発刊されているところがいい。なんと創刊10年でシリーズ累計500万部という。
そして、うちの子がはまっていて、私のイチオシは講談社の「動く図鑑MOVE」。何が動くかというと、紙の図鑑だけでなく60分ほどの本格的なDVDがセットになっているのだ。このDVD、NHKの映像をふんだんに使っていて、かなりのど迫力。しかも、解説が子ども向けの楽しいナレーションなので、飽きずに観られるようになっている。うちは字がまだ読めなかった2歳くらいから観はじめて、出てくる動物や魚の名前を全部覚え、DVDと連動している図鑑で詳しく読むという習慣が見事についた。今では、鳥、恐竜、爬虫類・両生類、宇宙、大自然とほぼ全シリーズをそろえ、さながらちびっこ科学博士になっている。このシリーズは累計50万部だ。編集者のインタビューも絵本ナビに掲載されているが、その創刊、編集過程も熱い。
あとは学研の「ほんとのおおきさ」シリーズも発想の着眼点がいい。動物や魚を実物大の写真でドーンと載せているのだ。見開きいっぱいを使って載せても、まだはみ出すくらい。象の顔も超アップで、毛の一本一本が見えるといった具合だ。7カ国語で翻訳され、英語版はアメリカのペアレンツチョイス賞ノンフィクション部門で最高の金賞を受賞したそうだ。
いま、日本の子ども向け図鑑が熱い。大人も一緒に楽しめば、眠っていた好奇心の泉が掘り起こされるだろう。おもしろい生物はダイオウイカだけではない。ぜひ出版社の皆さんは海外にも今まで以上に売り出してもらいたい。
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