学校図書室に置きたい「戦争」マンガ5選+3
漫画「はだしのゲン」の松江市小中学校における閉架措置が話題になっていた。その是非の議論については他に譲るとして、せっかくなので、学校の図書室というか全ての図書館に置いてほしい、お薦めの「戦争」マンガを紹介したい。「戦争」とカッコ書きしているのは、太平洋戦争・第二次世界大戦を念頭に置きながら、その戦争を理解するには第一次大戦や日中戦争、日清、日露とそこにいたる経緯も知らなければならないと考えるので、その全体をさして「戦争」としているつもりである。
1. アドルフに告ぐ

- 作者: 手塚治虫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/01/09
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (44件) を見る
2. 日露戦争物語

日露戦争物語―天気晴朗ナレドモ浪高シ (第1巻) (ビッグコミックス)
- 作者: 江川達也
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2001/08
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 13回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
3. 国が燃える

- 作者: 本宮ひろ志
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2003/05/19
- メディア: コミック
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
4. 虹色のトロツキー

- 作者: 安彦良和
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2000/03/01
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 51回
- この商品を含むブログ (42件) を見る
5. 水木しげる コミック昭和史

- 作者: 水木しげる
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1994/08/01
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 33回
- この商品を含むブログ (33件) を見る
以上がお薦めの5選ということになるが、話題の「はだしのゲン」もここに加わってよいと私は思っている。思想的な偏りや、小中学生がみるには表現が過激な部分があるところも否めないが、原爆被害の描写のリアリティはなんといっても圧巻だ。原爆をテーマにした作品では、タッチが全く異なる「夕凪の街 桜の国」もお薦め。戦後の視点から原爆を真摯に見つめる秀作だ。

- 作者: こうの史代
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2004/10/12
- メディア: コミック
- 購入: 60人 クリック: 1,350回
- この商品を含むブログ (1138件) を見る
それと、思想的バランスという観点でいえば、「はだしのゲン」を置くなら、小林よしのりの「戦争論」を並列すればよい。問題があるから閲覧に制限をかけるのではなく、幅広く様々なものに触れる機会を提供し、判断は読者に委ねるべきだ。小中学生ではまだ判断がつかないのは当然だが、興味を持つきっかけとなる材料を提供し、もっと詳細な本や資料を読みたいと思える動機を引き出すことが重要なのではないだろうか。過激表現や性的描写についても、それがネックになるなら、明確な基準を設定していっそのこと「黒塗り」でもすればよいだけだ。一部に問題があるからといっていい作品を図書館に置かないのはもったいない。
ほかにも図書館においてほしい、勉強になるマンガはたくさんあるが、拙著「マンガ勉強法」でまとめているので、読者の皆さんも「たかがマンガ」とばかにせずに一度読んでみていただきたい。

- 作者: 本山勝寛
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2012/10/19
- メディア: 文庫
- 購入: 6人 クリック: 122回
- この商品を含むブログ (30件) を見る