障がい者の多様性とリアル
先日、乙武洋匡氏が久しぶりにテレビ出演していたことがトップニュースとして話題となっていた。乙武氏が日本で最も発信力のある「障がい者」であることは確かだが、「障がい者の多様性とリアル」を伝え、理解するという観点から、日本はもっとできることがあるのではないかと感じた。
- 作者: 乙武洋匡
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/04/04
- メディア: 文庫
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大ベストセラーとなった乙武氏の『五体不満足』が出版されたのが1998年。長野パラリンピックが開催された年だ。その著書と乙武氏が発信してきたメッセージにより、障がい者、特に肢体不自由者に対するポジティブなイメージが社会に伝わったことは確かだろう。それだけに、今回の不倫騒動に関しては残念でもあった。
五体不満足、そして長野パラリンピックから18年の年月が経ち、いま日本は東京パラリンピックを迎えようとしている。私は職業柄、様々な障がいのある方と一緒に働いたり、接したりする機会が多いが、それぞれの方が持つ個性に魅力を感じ、学ぶことが多い。また、車いすユーザーだけでなく、視覚や聴覚、知的などの障がいの種類によってニーズはまったく異なるし、同じ障がいでもそれぞれの状態や好みによって異なる。
車いすユーザーだからこそ、ベビーカーユーザーや足腰の不自由なお年寄りの視点にも立ってアドバイスをすることができるし、目が見えないからこそ、言葉や音声によるコミュニケーションをとることの大切さを気づかせてくれる。乙武氏だけでなく、様々な障がいのある方が発信できる環境をつくることで、社会に多くの気づきが提供されるのではないだろうか。
「障がい者」と一括りにはできない多様性があり、それぞれの方が持つリアルな声に耳を傾けてこそ、ほんとうの意味で多様性を理解しあう共生社会、インクルーシブな社会が実現できるのではないだろかか。
そんな問題意識もあり、日本財団パラリンピックサポートセンターでは、様々な障がいのある講師と障がい者とのコミュニケーション方法を学ぶ「あすチャレ!Academy」というセミナーを開始した。個性あふれる様々な講師が、楽しく分かりやすくセミナーを行っているので、ぜひ参加してみていただきたい。
https://www.parasapo.tokyo/asuchalle/academy/
2020年のパラリンピックが一過性のお祭りで終わらないよう、ひとりひとりが取り組むことがあるように思う。