言語能力はすべての教科の基礎となり、あらゆる活動に関わってくる要素となるので、非常に重要な力であることはいうまでもありません。しかし、国語が好き、本を読むのが好き、文章を書くのが好きという子どもは非常に少ないのが現状ではないでしょうか。小さい頃からコトバに慣れ親しみ、学校でも最も時間をかけて国語の授業を受けているのに、国語への興味、コトバへの好奇心が年を重ねるたびに薄れていくのはなぜでしょうか?
公益財団法人全国学校図書館協議会の第63回学校読書調査(2017年)によると、1ヶ月に1冊も本を読まなかった人の割合は、小学生で5.6%、中学生で15.0%、高校生で50.4%です。つまり、小学校から中学校、中学から高校と、学校生活が長くなるほど、子どもたちは本をまったく読まなくなる傾向にあるということです。小学生の約95%は毎月何らかの本を読んでいるのに、高校では2人に1人は本を読まなくなります。(参照:
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/04/__icsFiles/afieldfile/2018/04/20/1403863_003_3.pdf
この傾向は大学生も同じです。全国大学生活共同組合連合会の第54回学生生活実態調査(2018年)によると、1日の読書時間が0と回答した大学生は48.0%にのぼります。2017年は53.1%だったので、やや回復傾向にあるかもしれませんが、いずれにせよ大学生でもおよそ2人に1人は本を読まないという現状です。
小学生はより平易な本を読んでいるということも想定されますが、それにしても学校生活を重ねるほど本を読まなくなるというのはいかがなものでしょうか?学校は、子どもたちが本来持っていたコトバへの好奇心を摘み取ってしまっているのではないでしょうか?
私はというと、小学生の頃はあまり本を読みませんでした。それが、高校生になるとあることがきっかけで本が好きになり、大学生になってからは「本の虫」といわれるほど読み漁りました。社会人になった今でも相当な読書量が継続していますし、さらに本を書く立場にもなりました。
好奇心を中心におくと、おいしいものを食べたいと思うように、本は自然と読みたくなります。そして、おいしいものを食べたときのように、喜びと満足感を得られ、知の栄養が成長につながります。
学校教育は経験すればするほど、コトバへの好奇心を削ぎ落とし、本を読みたくない人にしてしまいます。日本の教育は本当にそれでよいでしょうか?
私がオンラインサロン「MSI塾=本山ソーシャルイノベーション塾」で学びのイノベーションを起こしたいと思ったのも、そんな問題意識からです。
物事の知識や解き方の正解を教え込まれるだけでなく、コトバや物語、論理や新しい世界に対して自らが好奇心をもって学んでいく。教育の時代から学びの時代へと大転換していかなければ、いつまでも本が嫌いで、指示されないと動けない人間を量産してしまうでしょう。
日本の教育は本当にこのままでよいのでしょうか?
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