先日、東京都の私立高校実質無償化政策や教育費負担軽減などについて、月刊誌『第三文明』から取材依頼があり、5月1日発売の6月号にインタビュー記事「教育費負担の軽減は「未来への投資」である」が掲載された。
東京都の私立高校実質無償化については、先日もブログ記事「都私立校一部無償化について」で書いた通り、基本路線は賛成で、公平性を担保するために所得制限と補助金額の段階的な制度設計と、私立高校にだけ人材が流れないように公立高校改革をセットで推進しなければならないとの注文をつけた。
これに加えて、インタビューで私が特に強調して提言した政策は「奨学金減税」だ。
近年、貸与型奨学金の返済が若年世代にとって重い負担になっていることが社会問題としてクローズアップされていることを背景に、今年度から政府による給付型奨学金制度が新設された。しかし、財源に制限があるために必要なすべての学生に給付型奨学金が支給できるわけではない。貸与型奨学金は引き続き多くの学生にとって必要だ。また、貸与型奨学金を借りて返済している者にとって、給付型奨学金制度の恩恵は行き届かず、負担が重くのしかかったままであることに変わりはない。
そこで私が提言するのが「奨学金減税」だ。これは住宅ローン減税や、所得税の医療費控除、寄附金控除などと同じ考えで、貸与型奨学金の返済分を確定申告の際に所得から差し引いて申告ができるようにするという考え方だ。
以前にもBLOGOSやテレビ番組なとで提言してきたが、政権与党の月刊誌の特集記事で提言したことで、政府内にも動きが出てくることを期待したい。年内には、この「奨学金減税」の提言を含む奨学金問題に関する書籍も執筆する予定なので、奨学金減税の実現に向けて世論を喚起していきたい。
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