今夏の参院選で18歳選挙権がスタートする。よく指摘されるように、若年層の投票率はどんな選挙でも毎回極めて低く、前回2013年の参院選では、20代の投票率は33.37%だった。最も高かった60代の投票率67.56%と比べると、半分にも満たない。
ただでさえ若年層人口は少ないうえに、若者の3分の2が選挙権を放棄している状態では、若者より高齢者の主張が優先されやすいシルバー民主主義に行き着いてしまうのも自然の流れなのかもしれない。
18歳選挙権は、若年層ボリュームを増やし、10代の考えを投票によって反映させるという点で、シルバー民主主義を是正する効果が期待される。しかし、これまで政治や社会のことに関心と知識を持つ機会がほとんどなかった18、19歳がいきなり高い投票率になるとは想像しにくい。毎回世代別で最低となる20代と同程度か下回ることが推測されるが、今回の参院選は10代の投票率がどの程度になるか注目したい。
若者の政治に対する関心を高める一つの手段として、政治の世界や社会の様々な課題への関心を歓喜するようなエンタメマンガを読むことを推奨している。政治マンガでは、島耕作シリーズの作者である弘兼憲史氏の『加治隆介の議』や、ゴルゴ13で有名なさいとうたかを氏の『歴史劇画大宰相』などがオススメだ。
加治隆介の議 全10巻完結セット(文庫版)(講談社漫画文庫) [コミックセット]
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これら政治マンガのほかに、社会問題をテーマにしたマンガも、政治や政策への関心のきっかけになる。事故後の福島第一原発を作業員の実体験から描いた『いちえふ』や、生活保護のリアルを描いた『健康で文化的な最低限度の生活』なども、重たいテーマを楽しく学ぶことがてきる。
いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(3) (モーニング KC)
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そんな「学べるマンガ」を100作品選出して紹介する日本財団のプロジェクト『これも学習マンガだ!』が『学べるマンガ100冊』として文藝春秋から刊行された。
『これも学習マンガだ!』の選書作品は、このプロジェクトをきっかけに全国各地の学校や公共図書館でも配架展開されているが、政治や社会をテーマにしたフェアを企画するのはいかがだろう。若年層が政治を考える一つのきっかけになるのではないだろうか。
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