時事通信が7月26日、"「子連れで選挙」解禁へ=今秋法改正、投票所の選択も"という記事を配信し、ヤフトピにもなっていた。抜粋すると以下の通り。
政府は、国政・地方の各種選挙の投票率向上を図るため、これまで原則として認められていなかった投票所への子どもの同伴を解禁する方針を固めた。
有権者が利便性に応じて市区町村内の投票所を自由に選べる制度の導入も検討しており、こうした規制緩和措置を盛り込んだ公職選挙法改正案を秋の臨時国会に提出し、来年夏の参院選での実施を目指す。(中略)
現行の公選法は、「幼児」や「やむを得ない事情がある者」の同伴を除き、子連れの投票を認めていない。全面的に同伴を認めることで、選挙に行くのを諦めていた子育て世代の投票が期待できるのに加え、子どもたちに年少期から政治参加の重要性を理解してもらう効果も見込める。
この法改正の動きは、わたしが以前のブログ記事"子どもを投票所に連れてってはダメ? 公職選挙法の抜本改正求む"で指摘し、提案した内容に沿うもので、高く評価したい。
「幼児」や「やむを得ない事情がある者」の同伴を除いて子連れの投票を認めていないと定めているのは、現行の公職選挙法58条だ。これにより、幼児は子連れ投票が認められていたが、小学生や中学生などは、「幼児」または「やむを得ない事情がある者」とみなされるかは投票所の運営に任されていた。結果、小学2年生で投票所への同伴が断られたり、逆に小学5年生でも普通に投票所に一緒に入れたといった報告がなされていた。
公選法が上記の通り改正されれば、投票所毎の運用の違いによる混乱を避けられ、子育て世帯にとって投票の利便性が増す。さらに、効果を期待したいのは、子どもが親と一緒に投票に行くことが慣習化することで、選挙で投票することは当然のことだと、子どもが小さい時からイメージをもって認識できるようになることだ。来年の参院選から、同様に選挙権が18歳以上になる。こういった改正ですぐに投票率が変わるものではないだろうが、若年層が政治を真剣に考える機会が増え、長期的には投票率が上がるよう期待したい。
さらなる改善点を加えるとしたら、現行の公選法は未成年者の選挙運動を禁止しているため、一般のネット選挙が解禁されたとしても、未成年者にいたっては選挙の候補者に関するツイートをリツィートすることも禁止されていることだ。若年層の政治リテラシーを向上させるには、未成年のネット上での選挙運動を解禁するなども検討の余地があろう。
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