創造性を伸ばす親子ワークブック『そうゾウくんとえほんづくり』予約スタート!
「勉強はつまらない」
「大人に無理やり勉強させられる」
「将来のためだからしかたなく塾に通っている」
「決まったことを覚えたり、正解を答えられることが頭がいいこと」
これって何かがおかしくないでしょうか?
本来、何か新しいことを学んだり、それを何かにいかしたりすることって、メチャクチャ楽しいことです。
人間の人間たるゆえんであると言っても過言ではないと思います。
「学ぶことはメチャクチャ楽しい!」
「学んだことをアウトプットすることはもっと楽しい!」
これが私の心からの実感であり、老若男女世界中の人々に伝えたいことです。
そして、世界中の子どもたちに楽しい学びを届ける「学びのイノベーション」を起こすことが私のビジョンです。
そんな問題意識とビジョンを具体的な形にした、子どもの創造性を伸ばす新しいイノベーティブな親子ワークブックを出版します!
ワークブックのタイトルは、
『そうゾウくんとえほんづくり』。
子どもたちの創造力や想像力、好奇心、発想力、表現力、自己肯定感を高める楽しい親子ワークブックです!計算ドリルや漢字ドリルのように、いわゆる学力や認知能力でけでなく、昨今学界やビジネス界でも注目されている非認知能力を伸ばすことを目的としています。非認知能力の重要性については以下の記事もご参照下さい。
子どもの非認知能力を伸ばすことを目的に開発した『そうゾウくんとえほんづくり』は、子どもが楽しく遊んでワークをしているうちに、最後にはオリジナル絵本というイノベーティブな創作物を完成させられるというコンセプトです。子どもにとって大きな自信につながりますし、途中に思考力や発想力を伸ばす様々な仕掛けが用意されています。
以下の目次のとおり、パート1からパート3までのワークで「達成感」「成功体験」や「自分で考える力」「表現する力」などを身に付け、最後のパート4で実際にオリジナル絵本をつくり、創造力を磨くという構成になっています。親子で楽しみながらワークを進めていくだけで、気づけば今後必要な能力が身につく、「魔法」のワークブックです。
【もくじ】
パート1 おなじところさがし ~共通点を見つけ、あたらしい「見かた」を身につける~
パート2 まぜこぜポン! ~ちがうものをくみあわせて、あたらしいものをつくり出す~
パート3 じゆうにかこう! ~かんがえるフレームワークをつかって、かたちをつくり上げる~
パート4 オリジナルえほんをつくろう! ~かんがえてきたものをかたちにして、 さくひんをソウゾウする~
ほめかたガイド「子どもが伸びる『あいうえおかきくけこ』」
昨年から企画を構想し、同時期に立ち上げたオンラインサロンMSI塾で幼児教育の専門家や教師、主婦、様々な方と一緒に企画し、トライアルも重ねながら共同開発した渾身の革命的作品です!メインキャラの「そうゾウくん」もそこから生まれました。
Amazonで予約開始したので、ぜひぜひご予約ください!!学びのイノベーションに向けて、うんこドリルを超えるブームを創りたいです!
そうゾウくんとの「楽しい学び」のセカイにご参加ください!
自分をコントロールする力「実行機能」〜非認知スキルの心理学が示すヒント
学力テストでは測れないが重要な力、非認知能力への注目が日に日に高まっている。ノーベル経済学賞受賞者のヘックマン教授の『幼児教育の経済学』や中邑牧子先生の『学力の経済学』などがベストセラーになることで、日本でもその学術的研究が紹介され、知られるようになってきた。
非認知能力(非認知スキル)とは、やり抜く力やコミュニケーション力、自制心、社交性、好奇心などを指し、いわゆる学力テストやIQで測定できる認知能力と対をなす概念だ。
日本財団が子どもの貧困対策で進める「第三の居場所」事業でも、勉強を教える学習支援だけでなく、子どもたちの非認知能力向上を重視したプログラムを用意しており、第三の居場所に通うことによる子どもたちの非認知能力の変化も検証している。
とはいえ、非認知能力はテストで測れないスキルであり、測定するのが認知能力よりも困難であることは事実だ。大事なのはわかるけど、どうやってそれを測り、育てたらよいのか分かりづらい。そんなモヤモヤした疑問に、森口祐介氏の新著『自分をコントロールする力 非認知スキルの心理学』は一つの道筋を示してくれている。
同著で紐解かれるのは、非認知能力のなかでも、「実行機能」というスキル。
目標を達成するために、自分の欲求や考えをコントロールする能力を、心理学や神経科学の専門用語で「実行機能」と呼ぶ。この実行機能については、比較的研究が進んでいる。
子ども期における実行機能が低いと、健康面では循環器系疾患のリスクが高く、肥満になりやすく、性感染症になりやすく、歯周病になりやすい。また、ニコチン依存症や薬物依存症にらなりやすい。経済面では、年収が低く、社会的地位が高いとされる職業につきにくく、貯金が少なく破産しやすい。家庭面では、子どもがいる場合、シングルで育てることになりやすい。
このかなり衝撃的な研究結果を、デューク大学カスピ博士らグループが2011年に発表している。
実行機能の発達には、遺伝的要因と環境的要因の両方が関係するが、子どもの環境的要因が、より重要だという。特に家庭環境が強い影響を与え、親の振る舞いや夫婦仲などの家庭の雰囲気、睡眠やメディア視聴、生活習慣も影響する。
また家庭環境の影響は強いものの、その他の環境やプログラム等により子どもの実行機能は鍛えられうることも示されている。この部分が非常に重要で、紹介されている「心の道具」プログラムなどは非常に興味深い。
非認知能力、あるいは実行機能が重要だということは明らかになってきているが、ではそれをどう育てるのか具体的な施策とその効果検証は世界的にもまだ道途上だ。本著はそのヒントを示してくれている。
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世界を変える偉大なNPOの条件
『世界を変える偉大なNPOの条件』を久しぶりに読んだ。
『ビジョナリーカンパニー』の社会セクター版と称される本で、偉大なNPOが大きな社会的インパクトを出し続けられている要因を「6つの原則」としてまとめたものだ。
その6つの原則の概要は以下の通り。
- サービスを提供するだけでなく、政府と協力して政策転換を促す。
- 市場の力を利用し、企業を敵視したり無視したりせず、強力なパートナーとみなす。
- 活動を支援してくれる個人が有意義な体験を行えるよう工夫し、彼らを大義のために動いてくれる熱烈な支持者に変えていく。
- NPOのネットワークを築き、他のNPO組織を、希少な資源を競い合うライバルではなく仲間として扱う。
- 変化する環境に適応し、戦略的であると同時に革新的かつ機敏に動く。
- 社会変革の強力な推進者となるために、リーダーの権限を分担する。
このうち1.の「サービスだけでなく政策も」という点がNPO界隈では抜け落ちやすい視点だが、社会的インパクトを最大化させ、真の意味で社会を変えるには非常に重要な要素となるということに同感だ。
私の勤める日本財団では、各NPOに助成事業というかたちで個別の取り組みを支援するだけでなく、如何にそれらを先駆的なモデル事業として社会に波及させていくかを重視している。その手法として、政策提言して政府を巻き込み、法律や制度を変え、政策を転換させることを中長期の目標に置くことが多い。
私が事業責任者を務める子どもの貧困対策事業でも、「第三の居場所」と称する子どもの居場所を現在全国約30拠点で展開しているが、そこでの子どもたちの成長(認知能力と非認知能力の変化)を測定し、事業の効果検証を行っている。その検証結果を踏まえて政策提言を行い、貧困の連鎖を断ち切るための政策の大胆な実行を促したい。
ただし、6つの原則から考えると、2.市場の力を利用した企業の強力なパートナー、3.熱烈な支持者についてはまだまだ足りていない。
今年からソニーや伊藤忠テクノソリューションズとパートナーシップを締結し、子どもの貧困対策に向けて、様々なかたちで協力いただいているが、上記の著書で挙げられたようなレベルまでにはいたっていない。それでも、単なる寄付だけでなく、子どもたちへのプログラミング教室など、パートナーの強みをいかした連携を模索している。
もう一つは、個人の熱烈な支持者。個人の方々からたくさんのご寄付をいただいているが、有意義な体験を提供することで「熱烈な支持者」にまでなっていただいているとはいえない。第三の居場所に通う子どもたちの成長を、支援者一人一人が身近に感じ、一緒に成長することで、この事業とビジョンへの熱烈なファンになっていただけるような仕組みをつくっていく必要がある。
上記の著書ではアメリカ発のNPOが12団体挙げられている。Teach For Americaやセカンド・ハーベストなど確かに社会を大きく変えていっている有力NPOばかりだ。一方でそのようなNPOが日本にどれだけあるかは心もとない状況だ。
日本社会が非常に大きな課題として直面している「子どもの貧困問題」。この課題解決に向けて、「6つの原則」からもう一度振り返り、真の意味で社会を変えていく事業に発展させていきたい。
世界を変える偉大なNPOの条件――圧倒的な影響力を発揮している組織が実践する6つの原則
- 作者: レスリー・R・クラッチフィールド,ヘザー・マクラウド・グラント,服部優子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/07/13
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「5つの強み」を診断してみました
日本でも長い間ベストセラーにランク入りしている『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』。心理学に基づく才能診断を行うアクセスコードが書籍に付与されており、自分の5つの強みの診断結果が送付されます。
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0
- 作者: トム・ラス,古屋博子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2017/04/13
- メディア: 単行本
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人材開発チームの任を担う日本財団での導入を検討するため、何名かでトライアルをしてみました。チームメンバーの強みが何か改めて言語化され、それに基づいてコミュニケーションを取ることでチームのあり方を考えるよい機会となりました。
さて、私自身の診断結果としては、「着想」「戦略性」「学習欲」「達成欲」「信念」が5つの強みとして挙げられました。
着想
あなたは着想に魅力を感じます。では、着想とは何でしょうか? 着想とは、ほとんどの出来事を最もうまく説明でき る考え方です。あなたは複雑に見える表面の下に、なぜ物事はそうなっているかを説明する、的確で簡潔な考え方を 発見すると嬉しくなります。着想とは結びつきです。あなたのような考え方を持つ人は、いつも結びつきを探していま す。見た目には共通点のない現象が、何となく繋がりがありそうだと、あなたは好奇心をかき立てられるのです。着想とは、皆がなかなか解決できずにいる日常的な問題に対して、新しい見方をすることです。あなたは誰でも知って いる世の中の事柄を取り上げ、それをひっくり返すことに非常に喜びを感じます。それによって人々は、その事柄を、変わっているけれど意外な角度から眺めることができます。あなたはこのような着想すべてが大好きです。なぜなら、 それらは深い意味があるからです。なぜなら、それらは目新しいからです。それらは明瞭であり、逆説的であり、奇抜 だからです。これらすべての理由で、あなたは新しい着想が生まれるたびに、エネルギーが電流のように走ります。他の人たちはあなたのことを、創造的とか独創的とか、あるいは概念的とか、知的とさえ名付けるかもしれません。おそらく、どれもあてはまるかもしれません。どれもあてはまらないかもしれません。確実なのは、着想はあなたにとってスリルがあるということです。そしてほとんど毎日そうであれば、あなたは幸せなのです。
戦略性
戦略性という資質によって、あなたはいろいろなものが乱雑にある中から、最終の目的に合った最善の道筋を発見 することができます。これは学習できるスキルではありません。これは特異な考え方であり、物事に対する特殊な見方です。他の人には単に複雑さとしか見えない時でも、あなたにはこの資質によってパターンが見えます。これらを意識 して、あなたはあらゆる選択肢のシナリオの最後まで想像し、常に「こうなったらどうなる? では、こうなったらどうな る?」と自問します。このような繰り返しによって、先を読むことができるのです。そして、あなたは起こる可能性のある 障害の危険性を正確に予測することができます。それぞれの道筋の先にある状況が解かることで、あなたは道筋を 選び始めます。行き止まりの道をあなたは切り捨てます。まともに抵抗を受ける道を排除します。混乱に巻き込まれる 道を捨て去ります。そして、選ばれた道――すなわちあなたの戦略――にたどり着くまで、あなたは選択と切り捨てを 繰り返します。そしてこの戦略を武器として先へ進みます。これが、あなたの戦略性という資質の役割です。問いかけ、選抜し、行動するのです。
学習欲
あなたは学ぶことが大好きです。あなたが最も関心を持つテーマは、あなたの他の資質や経験によって決まります が、それが何であれ、あなたはいつも学ぶ「プロセス」に心を惹かれます。内容や結果よりもプロセスこそが、あなた にとっては刺激的なのです。あなたは何も知らない状態から能力を備えた状態に、着実で計画的なプロセスを経て 移行することで活気づけられます。最初にいくつかの事実に接することでぞくぞくし、早い段階で学んだことを復誦し 練習する努力をし、スキルを習得するにつれ自信が強まる――これがあなたの心を惹きつける学習プロセスです。あ なたの意欲の高まりは、あなたに社会人学習――外国語、ヨガ、大学院など――への参加を促すようになります。そ れは、短期プロジェクトへの取組みを依頼されて、短期間で沢山の新しいことを学ぶことが求められ、そしてすぐにま た次の新しいプロジェクトへに取組んでいく必要のあるような、活気に溢れた職場環境の中で力を発揮します。この 「学習欲」という資質は、必ずしもあなたがその分野の専門家になろうとしているとか、専門的あるいは学術的な資 格に伴う尊敬の念を求めていることを意味するわけではありません。学習の成果は、「学習のプロセス」ほど重要で はないのです。
達成欲
「達成欲」という資質は、あなたの原動力をうまく説明してくれます。「達成欲」には、常に何かを成し遂げている必要 がある、という特徴があります。あなたには、毎日がゼロからのスタートのように感じられます。あなたは自分自身に 満足するために、一日が終わるまでに何か具体的ことを成し遂げなければなりません。そしてあなたにとって「毎日」 とは、平日も週末も休日もすべてを含めた一日一日を意味します。どんなに今日は休もうと思っていたとしても、何も 達成することなくその日が過ぎてしまうと、あなたにはわずかにでも満たされない思いが残るでしょう。あなたの中に は炎が燃えています。それが次から次へとあなたを行動に駆り立て、達成させて行きます。ひとつ何かを成し遂げる とその炎は一瞬しずまりますが、またすぐに燃え出し、次の目標へまた次の目標へと、あなたを前進させ続けます。達 成に対するあなたの絶え間ない欲求は、かならずしも論理にかなっていないかもしれません。方向すら定まっていな いかもしれません。しかし、常にあなたについて回ります。達成欲の旺盛なあなたは、このわずかに満たされない気 持ちとうまくつきあっていけるようにしなければなりません。この気持ちにはは利点があるからです。長い時間燃え尽 きることなく働くために必要なエネルギーを、あなたに与えてくれます。新しい仕事やむずかしい仕事に取りかかる 時、いつでも頼ることができる起爆剤なのです。これがエネルギーの源となって、あなたは職場のペースメーカーとなり、生産性のレベルを上げることができます。これが、あなたを動かし続ける資質なのです。
信念
「信念」という資質が高いならば、あなたは何か核となる揺るぎない価値観を持っています。これらの価値観が何かは人によって異なりますが、一般的にこの「信念」の資質が、あなたを家族中心主義に、他人に献身的に、さらに崇 高さを持つようにさえします。さらに自分自身についても他人についても、責任感と倫理感が強いことを評価の指標 にします。この核となる価値は多くの面であなたの行動に影響を与えます。あなたの人生に意義と満足感をもたらし ます。あなたの見方では、成功とは金銭や地位に優るものです。この普遍的価値はあなたに方向性を与え、誘惑や 心を乱すものがあっても、その中を一貫した優先順位を保ちながら進んで行けるように、あなたを導きます。この一貫 性があなたのあらゆる人間関係の基盤です。あなたの友人はあなたを頼れる人間だと言います。彼らは「きみのスタ ンスは分かっている」と言います。あなたの信念という資質は、あなたを信頼しやすい人間にします。そしてそれは、あ なたが自分の価値と完全に一致する仕事をみつけることも要求します。あなたの仕事は意義があり、あなたにとって 重要なものでなければなりません。そしてその仕事は、あなたの価値を実現するチャンスを与えることができる場合 のみ意味を持つのです。
今回診断されて5つの強み、割と自分自身の認識と一致していると感じます。
書籍には、それぞれの強みをいかす行動アイディアや、その強みを持つ人と一緒に働くときのポイントなどか紹介されており参考になります。
みなさんも、強み診断やってみてはいかがでしょうか?
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0
- 作者: トム・ラス,古屋博子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2017/04/13
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僕がコンサルの内定をすべて蹴った理由〜ボストンキャリアフォーラム就活回顧録
僕の就職活動の話をしてみようと思う。
就職活動とは天職探しだ。
自らの天賦の才と情熱を注ぐことのできる職を探し、最終的に人生の選択を為すという一大行事だ。
それと同時に、食って生活をしていくためにお金を稼ぐ手段を得るという現実もある。
僕がハーバードに通っていた頃、ほとんど就職活動に関する知識がないなか、地元のボストンで世界中の日本人留学生が集まる就活イベントである「ボストンキャリアフォーラム」というものがあるということを知った。友達が、自分は出るんだけど、君はどうするんだと聞かれて、慌ててメンバー登録をした。
ボストンキャリアフォーラムの参加企業を見てみると、名だたる日系大企業から有名な外資企業が並んでいた。でも、僕はそれらにほとんど関心が行かなかった。世界をよりよくするために教育や社会課題の解決に取り組みたいと思っていたからだ。そんなことを本業として取り組んでいる企業はあまり見当たらなかった。
とはいえ、多額の借金(貸与奨学金)をして大学生活と大学院留学生活をして、結婚までした身としては、そろそろお金を稼げる職につかなければならない。自分が本当にやりたいことかどうかは分からないが、いくつか企業へのエントリーもしておいた。特に、スキルアップにつながり、将来自分が本当にやりたいことをやろうとするときに役立ちそうなコンサルティングファームの面接をいくつか受けることにした。
ボストンキャリアフォーラムという就活イベントは、日本の就活事情とはかなり異なり、開催日の2日間で内定がその場で出るという超短期決戦だ。私は、なんとなく受けた名だたるコンサルティングファームから2日間でいくつも内定をいただき、狐につままれたような気持ちになった。
おそらく、東大とハーバードという学歴が功を奏したのだろう。これで、なんとか卒業後食っていけるという安心感だけは得られた。
しかし、ほんとうにこれでよいのだろうか。
そんな気持ちが心に引っかかっていた。
僕は自分がほんとうにやりたいことを、自らの心に問いかけた。
国内外の社会課題を解決し、日本をして世界に貢献できる国にしていく。
それが僕の夢だった。
その夢を直接的に仕事とできる天職はないか、そんな問いに一番近い仕事が、「日本財団」だった。
年間約300億円 (現在は約500億円)の事業予算をもって、日本国内でも海外でも社会貢献事業に取り組む日本最大の助成財団。教育や福祉、国際協力と幅広い社会課題を取り扱っている民間組織。
日本をして世界に貢献できる国にしたい。
それも、政府の立場ではなく民間の立場で新たなイノベーションに取り組みたい。
日本の非営利業界をアメリカがそうであるようにもっと活性化したい。
そんな夢に挑戦するにはもってこいの組織であることが分かった。
面接を受けてみたら、二次面接までは合格したけれど、最終面接には日本に一時帰国しなければならない。他のコンサルティングファームは既にボストンキャリアフォーラムの2日間で内定をもらっている。しかも、日本財団よりも明らかに給料が格段に高い。当時から「コンサル」という職種へのブランド価値は高かった。お金や社会的な肩書を取るべきなのか、そうではない選択肢を取るべきなのか、正直相当に悩み苦しんだ。
悩んだまま、交通費が支給されたので、東京で日本財団の最終面接を受け、そこで内定をいただいた。それでもまだ悩んでいた。
でも、僕は人生の選択肢で悩んだときに決断する考え方がある。
より難しい道を選ぶこと。
心の底からやりたいと思えることを選ぶこと。
この選択の公式からすれば、給料の高いコンサルではなく、ほんとうにやりたいことができ、かつ当時の社会的評判はともかく自分がそこで挑戦することで日本と世界を変革できるポテンシャルのある日本財団に賭けてみることにした。
いろんな懸念点は自分が当事者として払拭し、解決すればよい。
難しい道でも、心が向かう道を選びたい。
僕がコンサルの複数の内定を蹴って、日本財団を選んだのは、そんな葛藤の末の決断だった。
日本財団の採用情報は以下の採用サイトに掲載。
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アウトプット革命へ
私はこれからの学びの質を高めるポイントは、いかにアウトプットの機会をたくさんつくり、そのフィードバックの質量を高めるかだと考えている。
知識や情報そのものの価値が薄れていく時代にあって、既存の知識情報をインプットだけすることの価値は相対的に低下してきている。
逆に、知識と知識を組み合わせたり、情報を編集したり、異分野をつなぎ合わせてアウトプットすることの価値がより高まっている。
もちろん、アウトプットはそれ以上のインプットをベースにして生まれるものなので、インプット自体をおろそかにしてはいけない。しかし、インプットだけで満足していては、時代から取り残されてしまうだろう。
この点からいって、オンラインサロンは、アウトプットが質量ともに求められる良質な場であり、かつ決して予定調和ではないという点で、時代が生んだプラットフォームなのだと感じるようになった。
オンラインサロン「MSI塾=本山ソーシャルイノベーション塾」を始めて2ヶ月が経った。サロン運営は手探りの連続だけど、今後の大きな可能性や自分自身にとっての成長と挑戦機会という点で非常に意義を感じている。
SNSの場合は、フィードバックがあまりないか、単なるたくさんの「いいね」で終わるか、誹謗中傷的な批判で炎上するかの両極端にふれやすい。これでは、アウトプットにはよいのだが、フィードバックの質量という点でうまく機能するか難しいところがある。
オンラインサロンはサロンオーナーもさることながら、会費を出しているメンバーにもアウトプットやコメントのやり取りが求められ、会費を出しているという前提がアウトプットによる参画というモチベーションにつながりやすい。これが、単にネット上の無料の情報を流し読みしたり、本を読んで終わるだけのインプットオンリーとは異なる点だ。
私自身も、オンラインサロンを始めて、アウトプットの機会とフィードバックの質量が以前にまして増えたと感じている。オンラインサロンの運営を実践することが成長と挑戦の機会を得るのによい場となり、新しい実践的な学びの場となっている。いわばアウトプット革命のスタートだ。
そのアウトプットの結果として、「創造性親子ワークブック」という出版企画がオンラインサロンMSI塾から生まれカタチになってきた。年内には出版予定だが、これも子どもたちにインプット重視の教育からアウトプット重視の学びへと転換を促すツールとすることを意図している。
大人の学びも、子どもの学びも、アウトプット革命へ。
これからもっと仕掛けていきたい。