本山勝寛 4kizフォーキッズ代表 公式ブログ | Katsuhiro Motoyama's Official Blog

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団で教育、国際支援、子ども支援事業に携わり、EdTechスタートアップを起業。 子供向けSNSフォーキッズを立ち上げる。『好奇心を伸ばす子育て』『最強の独学術』等著書多数。6児父4回育休。

朝青龍を機に〜モンゴルと日本財団

最近、知人に勤め先である日本財団の話をすると、「ああ、朝青龍のことでモンゴルの大統領が発言してた・・・」という話になります。

毎日、テレビ新聞で朝青龍問題が騒がしくなっているなか、ひょんなことから報道されているようです。

ウランバートル23日共同】日本相撲協会から2場所出場停止などの処分を受け「解離性障害」と診断された横綱朝青龍について、モンゴルのエンフバヤル大統領は23日、「日本の伝統や文化を勉強して真の意味で強い横綱になってほしい」などと語った。
 同大統領は、日本財団笹川陽平会長の表敬訪問を受けた。席上、笹川会長は今回の件が朝青龍の夏巡業不参加に端を発している点に関し「地方巡業は神に五穀豊穣を祈る神事の性格もある。地方の人は横綱の参加を望んでいた」などと説明。これに対し、エンフバヤル大統領は「モンゴルでは知力を鍛えることで多くの力が備わると言われている。朝青龍も日本の伝統を勉強し日本人に愛される横綱になってほしい」と応じた。
日経ネットより転載


この笹川会長のエンフバヤル大統領表敬訪問というのは、日本財団助成金を出して推進しているモンゴルでの伝統医療普及活動に関係があります。

一言でいうと「富山の置き薬」配置薬システムをモデルに、モンゴルの伝統医療薬を含んだ「置き薬キット」を、移動の多い遊牧民に活用してもらうというプロジェクトです。

ワンセンブルウ・モンゴリアという現地の団体への支援を通して推進しており、他にも
・伝統医療の医師・医療従事者の養成
・巡回医療サービスの実施
をセットに行っています。(詳しくはここ

日本と同じように後払いシステムで行い、初期の頃は課題も抱えていましたが、最近では使用率、代金回収率ともに80%を越え、定着しつつあるようです。WHOからも地域住民に対する医療サービス向上策の成功モデルとして高い評価を受けています

今回は、そういったモンゴルのモデルもふまえたWHOによる伝統医療の国際会議(日本、中国、インドネシアラオスミャンマーなど参加)の席に、笹川会長以下日本財団職員がモンゴルに赴いていたわけです。(笹川会長ブログ日本財団HP

エンフバヤル大統領との席でどんなことが話されたのか、僕は把握していません。ただ、富山の置き薬という日本の伝統的医療モデルがモンゴルで成功したという背景があったからこそ、同じく日本の伝統的文化である相撲に対する尊重のメッセージが、大統領の口から発言されたのではないかと感じています。

お互いの文化伝統を理解、尊重し合うことで、国際関係はよくなります。
朝青龍を通して、日本はモンゴルという国を知り、モンゴルは逆に日本の文化を知ることができる。相撲は日本のソフトパワーの源泉であり、朝青龍はモンゴルのソフトパワーの源泉でもあるが、それらがポジティブな意味で働きあい、両国の友好が進むことを祈ります。

そういえば大学時代、モンゴルにボランティア活動に行った友人と旭鷲山を学園祭の講演会に呼ぶという企画を試みたことを思い出します。途中で頓挫しましたが。。その友人のお土産の乾いたチーズがほんとにまずかったなぁ。あの味は忘れられません・・・

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