ブログメディア大手「BLOGOS(ブロゴス)」が開設5周年を迎えたそうなので、お祝いとともに、ブロゴスが担ってきた役割と今後への期待、自分自身のブロガーとしての関わりについて書き留めておきたい。
BLOGOS編集部によると、現在の参加ブログ・メディア数は950超、アクセス数は月間約3500万ページビュー、月間来訪者数は約600万、そのうち8万人がコメント投稿が可能なログインユーザで、1日平均で900件を超えるコメント投稿があるとのこと。
この数字自体はネットメディアとして突出しているかどうかは分からないが、政治・経済・社会問題など普通は読まれにくい硬派なオピニオン・提言型のブログを集積し、ブログメディアというプラットフォームを一つのメディアとして日本に定着させた功績は大きいと感じる。特に、編集部がこだわっているであろう「両論併記」というポリシーは、これまでの新聞社発メディアにはなかった面白さがある。たとえば、同じテーマで赤旗と自民党議員の記事が両論ピックアップされたり、ブロゴス上でブロガー同士が意見を戦わすことで、議論がより深まるケースも散見される。
私は、昨年の3月からブロゴスにブロガーとして参加し始め、合計137の記事が掲載された。総ページビュー数はブロゴス上ではおそらく150万ほどかと思う。他にもアゴラやそこから転載されるYAHOOニュースにも掲載されるが、いずれの場合も個人ブログだけをやっていたら、そのように多くの人に読まれることはなかったかと思う。特に、ブロゴスの両論併記というポリシーによって実現する、ブロガー間で議論を交わすやり取りはちょっとした醍醐味を感じさせてもらっている。たとえば、育休3年の議論や、奨学金滞納報道問題、配偶者控除廃止などはブロゴス上で議論を交わしたのが話題となり、ヤフートピックスや新聞雑誌にも取り上げられたりした。
世の中の社会制度がどうあるべきかを、政治家や役人、マスコミだけが考えるのではなく、社会を構成する一人一人がオープンに意見を交わし、その議論の流れがマスメディアにも影響を与えることで、政策にも反映されていくといった仕組みが、ブロゴスを代表とするブログメディアやソーシャルメディアによって形成されつつあると、今後の期待も込めながら感じるところだ。直近では、朝日新聞の「吉田調書」スクープに対していち早く誤報と指摘したブロガー記事を掲載し拡散させたのがブロゴスだったことは象徴的事件だったといえよう。権力の監視者であるマスメディアという「第四の権力」をさらに監視する「第五の権力」を持ち始めたのが、ブログメディアやソーシャルメディアを持った国民一人一人であり、時々ある大雑把な選挙で数年間の方向性を決める間接民主主義よりも、ずっと民主主義らしい精神を具現化しているのかもしれない。
- 作者: エリック・シュミット,ジャレッド・コーエン,櫻井祐子
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とはいえ、ブロゴスだろうがハフィントンポストだろうが、まだまだマイナーメディアであることに変わりはなく、マスコミが動いて初めて世論が動くことは変わっていない。ただし、マスコミとの緊張感、政治家との緊張感が、ソーシャルメディアを通して国民のなかに少しずつ形成されていくことで、世の中が少しずつ変わっていくのではないかと淡い期待を寄せながら、一ブロガーとしてこれからも意見を述べていきたいと思う。
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