来年の消費税10%増税の判断が年内に行われる。私は消費税の引き上げは長期的には避けられないが、景気を腰折れさせないためにも、その前にやるべきことはやり尽くしてからだと考えている。以前に提案したタバコ税の引き上げもその例だ。他にもパチンコ税なども最近話題に挙がっており、大いに進めるべきだと思うが、もう一つ検討に値するのは性風俗・ポルノ税だ。
一説によると、日本の風俗産業の市場規模は5兆6千億円にものぼり、これにポルノ産業を加えると6兆円を超える。社会的に規制、抑制されるべきであると考えられているにもかかわらず、タバコ税や酒税、ギャンブル(公益目的の交付金含む)のように特別税が課されていないのは不思議なくらいだ。
世界の下半身経済が儲かる理由―セックス産業から見える世界経済のカラクリ
- 作者: 門倉貴史
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 2007/03/01
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イタリアでは実際に2008年にポルノ税が導入され、税率25%が課されているという。これは、日本のタバコ税の税率が約6割、ガソリン税が約4割であることを考えると決して高い数字ではない。
仮に性産業6兆円に25%の風俗ポルノ税を導入したとすると、年間1兆5千億円の税収になる。消費税にして1%近く、酒税とほぼ同じ規模の税収だ。これらの財源を、たとえばシングルマザー支援や結婚支援などに活用することで、諸外国と比べて貧困率の高いシングルマザー世帯や子どもの貧困問題への解決、少子化対策にもつながる。
そもそも、特に既婚男性の風俗利用は離婚の原因になっているケースも多い。離婚は個々の家庭を破壊するだけでなく、社会的にも一人親家庭の貧困や子どもの貧困問題にもつながっている。また、少子化問題にも関連する。そういった社会的なコストを考えると、特に既婚者の風俗利用は抑制されるべきであるが、実際は野放しになった状態だ。
性産業を完全に禁止してしまうと地下に潜ってしまい、逆にコントロールが効かなくなる可能性があるが、徐々に税金を上げていけば、そういった問題も緩和しながら、抑制力を働かせることができる。
家庭崩壊を抑制し、少子化対策にもなり、税収アップにもつながる。まさに一石三鳥の政策だと思うが、消費税増税前にぜひとも検討いただきたい。
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