なんのために 生まれて
なにをして 生きるのか
こたえられない なんて
そんなのは いやだ
おなじみ、アンパンマンの主題歌の歌詞です。先日、アンパンマンの生みの親、やなせたかしさんが亡くなられ、この歌詞を反芻しています。
何の為に生まれて、何をして生きるのか?
難しい問いですね。2年前に長男がアンパンマンにはまり、そのときに東日本大震災が起き、やはりこの歌詞を反芻しました。多くの被災者を勇気付け、ラジオの臨時災害放送でもたくさん流されたそうですし、糸井重里さんも311でアンパンマンのマーチの言葉の力に圧倒され、二人の対談が実現し、雑誌ユリイカの増刊号にもなっていますね。それからしばらくして我が家ではブームが去ったのですが、二番目の娘がまたアンパンマンにはまり、今は第二次ブームを迎えています。
アンパンマンの映画に、まさに「なんのために生まれて、なにをして生きるのか」という歌をテーマにした「いのちの星のドーリィ」というのがあります。ちょうど、Yahoo個人で心理学者の碓井真史教授がそのストーリーを書いているので詳細は省きますが、作中でアンパンマンなりの答えが語られます。
「困っている人を助けたとき、心があたたかくなって、その時わかったんだ。僕が何のために生まれてきたのか。何をして生きていくのか、何が僕の幸せか」
このあと、アンパンマンは自らのいのちをかけて、このことを証明するわけですが、不覚にも涙を抑えることができないくらい感じさせられるものがありました。
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自らの顔を犠牲にして空腹の人たちを助けようとするアンパンマンを、やなせさんが描く強い動機はご自身の戦争体験だということは有名です。そして、弟さんは特攻隊員として戦死されています。アンパンマンのモデルはこの弟さんであるとも想像できますし、あるいは、イエス・キリストのようでもあるとも思えます。
別のところでは、ジャムおじさんもこの問いに答えていると思われる回があります。「食べてくれる人が笑顔になるために、パンをつくることが私の生き方なんだ。」と嬉しそうに語っていました。ジャムおじさんのそういった生き方が、きっと被造物であるアンパンマンにも引き継がれたのかもしれません。
なんのために 生まれて
なにをして 生きるのか
なにが君の しあわせ
なにをして よろこぶ
シンプルに問い直してみたとき、はっとさせられるものがあります。
アンパンマンのもう一人の生みの親である、やなせたかしさんは、みたひとが笑顔になるために、ペンを走らせることが彼の生き方であり、喜びだったのだと想像します。
我が家ではたくさんの笑顔をもらいました。ありがとうございました。ご冥福をお祈り申し上げます