去年の今頃はボストンで初めてマラソンに挑戦し、完走した。
今太平洋の向こう側では、数万人のランナーたちがちょうど走っているころだと思う。
1年前はまだハーバードで学究生活を送り、将来に不安と希望を抱きながら、何かに挑戦したい気持ちでいっぱいだった。やり場のない焦る気持ちを「42.197キロをただひたすら走る」という単純な行動にぶつけた。
「世の中に不可能なことはない」
走り終えて空を見上げたとき、純粋にそう思えた。
いま、日本社会の中で仕事をしている。創造的なこと、革新的なこと、おもしろいこと、真に社会が必要としていること。実践できるときが来たはずだが、まだまだパズルのピースは足りていない。次にはあれをしたい。これもできるんじゃないか・・・ときを待つのか。ときを呼び込むのか。
己に何ができるのか。
幼いころから考えてきた。今もその問いは変わらない。マラソンの号砲は既に鳴らされている。