本山勝寛:まなブロ

独学で東大、ハーバード大学院に合格し、国際教育政策修士課程修了。アジア最大級の国際NGOである日本財団で、教育や福祉、NPO支援に携わり世界中を駆け回っています。日本と世界に「学びの革命」を起こすべく、学びのススメを綴ります。 『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』 https://www.amazon.co.jp/dp/4591158020/

先着で『今こそ奨学金』プレゼントキャンペーン!

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ゴールデンウィークを記念して、みなさんの読書の一助となればと思い、拙著のプレゼントキャンペーンを行います!

 

ポプラ新書から新しく出版した『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』のサイン本を、先着で10名様にプレゼントいたします!

 

応募条件は、SNSFacebookTwitterInstagram、ブログなど)でご紹介いただくことと、Amazonでレビューを書いていただくことです。もちろん、レビューは率直な感想でかまいません。

 

ご氏名、住所(発送先)、ご紹介予定のSNSを明記の上、motokatsuhiro@yahoo.co.jp までメールにてご応募ください。予定数に届き次第、締め切らせていただきます。

 

この本が教育格差をなくす一助になれば幸いです。

 

ご応募お待ちしております!

 ※応募多数につき締め切りました。ご応募いただいた皆様ありがとうございます。(2018年4月29日)

 

いま日本は「内村鑑三」を再発見すべき

私の尊敬する人物を5人挙げよと言われたら、その一人に内村鑑三が入る。

人生に悩み苦しんだ20代前半の学生時代、内村の書籍や日記を読み漁り、大きな衝撃と感銘を受けた。

没後90年近くが経つが、その遺した言葉と生涯は生きたメッセージ=福音として心の深部に突き刺さる。

そんな内村鑑三の生涯を、新書という読みやすい形で、なおかつ深みの部分まで伝えてくれる一冊が出ていた。若松英輔氏による『内村鑑三 悲しみの使徒』だ。

内村鑑三 悲しみの使徒 (岩波新書)

内村鑑三 悲しみの使徒 (岩波新書)

 

内村の生涯を追いながら、関わってきた弟子たちや時代の重要人物を通して、内村の生き様を立体的に浮かび上がらせている。若松氏は同著の最後に、このように結んでいる。

 

彼は、神への、あるいは彼がいう「宇宙」への扉をキリスト者以外の人々にも開こうとした。そうした姿を見見て藤井は「預言者」と呼んだのだろうが、それでもなお、彼の全貌を言い当てていない心持ちがする。彼はやはり、遅れてきたイエスの直弟子である使徒のひとりだったのではないだろうか。

 

有名な内村の墓碑銘は、私自身にとっても座右の銘となっている。

 

I for Japan;

Japan for the World;

The World for Christ;

And All for God.

今こそ、「日本に遣わされた使徒」、内村鑑三を再発見すべきのように感じる。

 

代表的日本人 (岩波文庫)

代表的日本人 (岩波文庫)

 

 

 

奨学金問題の根っこは教育現場での「お金のタブー視」

お金と暮らしのネットメディア「Owlly」に、ガッツリとしたインタビュー記事が掲載されました。“在学中に実家に仕送り、借金は400万円。それでも必要だったーー本山勝寛さんに聞く奨学金制度の意義"

www.watch.impress.co.jp

 

『今こそ「奨学金 」の本当の話をしよう。』で書いたことから、さらに踏み込んで話しました。

特に、教育現場でお金の話がタブー視されていて、そもそも日本の子どもは「お金リテラシー」が低いことに対して、世の中ではあまり語られていませんが、実は奨学金問題の根っこの問題なのではないかと懸念しています。以下、一部引用します。

 

 本山:学校でもそういう金融リテラシーというか、経済というか、社会についてもう少し現実的なことを勉強したほうがいい。

「将来の夢はプロ野球選手です」みたいなのって小学生まではよいですが、実際に高校を卒業したらどんな仕事をするかを現実的に考えて選ぶわけですから、生涯賃金がどのくらいになってどうなのかっていうのは、普通に勉強するべきだとは思います。

お金の話がわりとタブー視されているというか、日本の教育現場では扱ってはいけないことになっていると思うんですけど、でもそれって本当にいいのかなというふうには思います。結構大事なことじゃないですか、人生の中で。


ある種の「聖域」のようなものかもしれません。

本山:お金が汚いもの、そういう固定観念はあるのかもしれないですけどもね。私なんかは中学の頃から新聞配達して「これで500円だ」みたいなのを計算しながら、このお金で生活できるとか考えたわけです。

それなくしてなかなか生きていけないというのが現実なので、早いうちに、そういうことに触れられたっていうのは、苦労はしましたがいい経験だったと思っているんですね。

私の高校もアルバイト禁止だったんです。私なんか本当に必要だから黙ってやっていたんですけど、何か後ろめたい気持ちでやっていて。立派な社会経験だと思うし、すごくいろいろなことを学べたし、生活的にも必要だったので、ちゃんと学校の中でも位置づけてもらいたいんですよね。

部活とかはすごく奨励されて、評価されるじゃないですか。課外活動とかボランティアとかも。でもそれって、アルバイトをやったりとか、お金をもらってインターンやっても評価されるべきだと思うんです。

それがタブー視されていて「お金を稼ぐことは悪いことだ」というふうになっているので、学校でも職業の年収とか、大学だといくらかかるのかとか、そういったことが教育されずいきなり放り出されるっていうかたちかなと。

 『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』は、お金と教育の話をタブー視せずに、お金リテラシーを高めるための本でもあります。

 

奨学金「批判」の誤解「Business Journal」掲載

biz-journal.jp

「Business Journal」にインタビュー記事「奨学金「批判」の誤解…滞納者の半数、返済義務を認識せず利用」(取材・文=小野貴史/経済ジャーナリスト2018.03.29)が掲載されました。奨学金に関する部分を転載します。

 

日本学生支援機構奨学金に対する批判が多いなか、その制度内容が十分に理解されないまま利用が広がっていると指摘する声もある。現在強まっている奨学金への批判は、的を射ているのか。また、現在の奨学金は、どのような点が問題なのか。そして、今あるべき奨学金の姿とは。日本財団パラリンピックサポートセンターのディレクターで、2月に出版された『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』(ポプラ新書)著者の本山勝寛氏に話を聞いた。

 
――最近、日本学生支援機構奨学金制度への批判が強いです。その金利は上限3%ですが、適用されているのは市中金利で、数年来ゼロ%台が続いています。奨学金を批判する報道のなかには、3%を前提に返済金額を計算しているものもあります。

本山 同機構のホームページには「最高3%」と書かれているので、それだけを見ると「そんなに金利が高いのか」と思ってしまう。もっと細かく見ると実際の運用金利を確認できて、借りている立場からすると「そんなに高い金利ではない」と理解できるのですが、不勉強なまま書いてしまう人もいれば、運用金利を理解していても部数を伸ばすためにセンセーショナルに叩きたいメディアもいるのが現状だと思います。
 
――同機構の調査では、奨学金を延滞している人の48.8%が借りる前に返済義務を知らなかったということですが、意外でした。この人たちは給付型の奨学金だと思っていたのでしょうか。

本山 返せなくなった人は、それだけ誤解をしていた割合が高かったということですね。

――大学は説明会などで返済について説明しないのですか。奨学金は借金なんだよと。

本山 大学にもよると思いますが、私が借りた時の説明会では、そんなに詳細な説明がされた記憶はなくて、淡々と事務的に手続きの方法が説明されました。もしかしたら説明されていたのかもしれませんが、聞く側にも問題があったと思います。もちろん、連帯保証人欄への記入は説明されましたが、それがどういう意味なのか、連帯保証にはどんなリスクが伴うのかについて、学生がきちんと認識するレベルまで強調して説明されませんでした。説明する側にも問題はあるでしょう。

 

――返済計画のシミュレーションが説明された資料は渡されないのですか。
本山 今はどうなっているのか、わかりませんが、私が説明を受けた時は、細かい資料が一式渡されて、その中に入っていました。しかし、気づかなかった学生もいるのではないでしょうか。大学別に延滞率が公表されるようになったので、大学側も返済について詳しく説明したほうがよいと思います。

――学生が授業料減免制度を知れば、奨学金の負担が減るはずですが、大学側は積極的に広報しないのですか。


本山 広報していてもうまく伝わらないのと、授業料減免制度があることをメディアが報じないので、多くの学生が知らないのだと思います。

――奨学金の説明会で減免制度は説明されないのでしょうか。

本山 私の時にはありませんでした。減免制度については掲示板に貼りだされていました。もしかしたら奨学金の資料の中に入っていたのかもしれないとも思いますが、ただ、減免制度を知ることができたのは大学に入ってからでした。授業料を用意できなくて大学進学をあきらめてしまう高校生も少なくないので、そういう高校生が「授業料を免除されれば大学に行ける」と前向きになれるような広報が必要だと思います。高校の先生にも減免制度を知っていただきたいと思います。

――高校の先生は知らないのですか?

本山 知らない先生が結構多いと思います。


――給付型奨学金については、政府が制度をスタートさせますね。

本山 ただ、予算制限があるので、今のところ住民税非課税世帯、生活保護世帯、児童養護施設出身者などに利用できる学生が限られています。こうした対象には該当しなくても困っている学生は多く、大学生の2人に1人は奨学金を利用していますが、この層の問題解決にはなりません。

――そうなると、本山さんが提言されているように、クラウドファンディングによる奨学金の確保などが有効になってくると思います。

本山 クラウドファンディングなどで民間の力を活用するとか、大学が給付型奨学金制度をつくることが必要だと思います。ただ、日本ではこうした取り組みができていません。アメリカの大学に比べて、日本の私立大学は寄付金の募集活動が弱いと思います。

――日本の場合、私立大学の寄付金は卒業生から集めることが多いと思いますが、新設大学では、多くの卒業生が多額の寄付をできるだけの財をなす年齢になっていないという問題もあるのでしょうか。

本山 いえ、卒業生に頼らなくても取り組み方次第で寄付を確保できます。自治体と組んで、ふるさと納税から寄付を募っている大学の例がいくつかあります。

――お話を聞いていると、奨学金にまつわる問題は入り口に問題があると感じます。減免制度や給付型を知らないために大学進学をあきらめるとか、貸与型には返済が伴うことを理解するとか。

本山 おっしゃる通りです。日本学生支援機構はこれまで延滞金の回収という出口に力を入れてきましたが、これからは大学に対して、こういう説明をしてほしいとか、わかりやすい資料をつくってほしいなどの要請をすることが必要になってきます。現に同機構のホームページは、かなりわかりやすくなってきました。

――本日はありがとうございました。
(取材・文=小野貴史/経済ジャーナリスト)

 

大学新入生に知ってほしい大学授業料免除

昨今、奨学金については、メジャーな社会問題として各種メディアに取り上げられ、多くの人が知ることとなった。一方で、同じ高等教育とお金に関わる制度である大学授業料免除制度については、メディアもまったくといっていいほど取り上げないため、一般的にはあまり知られていない。


その結果、家庭の経済状況によって大学進学を諦めないといけないと、一般的に信じられているのではないだろうか。しかし、私自身は大学授業料免除制度の恩恵を受けて、授業料を4年間まったく支払わずに、東大を卒業できた。しかも、そういった授業料減免を受ける大学生は決して特別な例外ではなく、かなりの人数いるのだ。


これだけ素晴らしい制度が知られていないのは、まさにもったいない話だ。では、メディアではあまり取り上げられないこの制度の実体を見てみよう。詳細については『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』でも紹介している。

 
日本には国公立大学と一部の私立大学で、家庭の経済状況と成績基準により授業料の全額または半額が免除される制度がある。国立大学の年間授業料は2017年現在で標準535,800円(月額約4.5万円)なので、4年間でおよそ215万円の給付型奨学金を受給するのと同じ経済的支援を受けることになる。


こういった授業料減免の恩恵を受けている学生は、文科省によると、2014年度の国立大学では述べ18万1千人、公立大学1万2千人、国立高等専門学校は述べ4千人、公立高等専門学校は400人、2015年度の私立大学は4万人だった。ただし、国立大学や高専は述べ人数で計算されており、1人が2回分(2学期分)計算されているものものある。国公立2014年度実績と私立の2015年度実績を合わせた参考値ではあるが、国公私立の延べ人数での合計では237,400人が授業料減免の対象となり、財政規模では約490億円となる。なお、私立大学については、国が予算補助している制度で、このほかに大学独自の授業料免除制度を設けているところもある。

 

では、具体的にどういった学生が授業料減免を受けられるのだろう。主に成績と家計の収入によるが、成績は日本学生支援機構の第2種奨学金の学力基準との均衡を考慮するとあり、さほど厳しい基準ではない。したがって、家計収入によって減免が定められることになる。


具体的には、世帯人数に対して免除を受けられる総所得額が設定されている。総所得額の計算方法は、たとえばサラリーマンの場合は、次の計算式で収入から所得控除額を差し引いたもの(収入―所得控除額)が総所得額となる。この計算式のほか、母子・父子世帯の場合や自宅通学か自宅外通学かなどによって特別控除額が定められている。

 

収入金額(税込)             所得控除額
104万円以下                 収入金額と同額(全額控除)
104万円〜200万円   収入金額×0.2+83万円
200万円〜653万円   収入金額×0.3+62万円
653万円を超えるもの   258万円

 

計算式によって算出された総所得額に対して、減免を受けられるかどうかは、以下のように、世帯の人数に応じて全額免除と半額免除それぞれで基準額が決められている。

世帯  全額免除                         半額免除
1人          880,000円   1,670,000円
2人   1,400,000円   2,660,000円
3人   1,620,000円   3,060,000円
4人   1,750,000円   3,340,000円
5人   1,890,000円   3,600,000円
6人   1,990,000円   3,780,000円
7人   2,070,000円   3,950,000円

 

たとえば、3人家族の事例で考えてみよう。両親と本人の3人家族で、お父さんがサラリーマンで給与収入が600万円、お母さんは専業主婦、本人は自宅外通学とする。お父さんの所得は、600万-(600万×0.3+62万円)=358万円。特別控除額は、本人が自宅外通学なので72万円。358万円-72万円=286万円が総所得額となる。3人家族の場合、全額免除の収入基準額は162万円、半額免除の収入基準額は306万円なので、全額免除の対象とはならないが、半額免除の対象になる。なお、この3人家族で自宅外通学の事例では、お父さんの給与収入が628万円までであれば半額免除に該当する。


次に4人家族の事例で考えてみる。両親と本人、弟(妹)がいる世帯で、お父さんがサラリーマンで給与収入が480万円、お母さんがパートで103万円、本人は自宅外通学、弟(妹)公立の高校生とする。お父さんの所得は、480万円―(480万円×0.3+62万円)=274万円、お母さんの所得は、103万円-103万円=0円。特別控除額、本人が自宅外通学で72万円、弟(妹)が公立高校生なので28万円。総所得額は274万円-72万円-28万円=174万円だ。4人家族の場合、全額免除の収入基準額は175万円、半額免除の収入基準額は334万円なので、全額免除の対象となる。なお、この4人家族の事例では、お父さんの給与収入が690万円でも半額免除の家計基準に収まる。お母さんのパート給与103万円も合わせると、世帯収入793万円でも対象 になりうるということだ。


授業料減免の基準はイメージよりも低いと感じるのではないだろうか。世帯収入が500万円から700万円というと、平均的な収入に近いが、それでも全額または半額免除の対象になりうるのだ。

こういった事実はほとんど報道されないため、多くの学生や家庭が知らない状況だ。また、授業料免除制度があることはなんとなく知っていても、計算式や収入基準額などを知らないため、自分がその基準にあてはまらないと思い、申請をしていない学生も一定数いると思われる。


私は、この大学授業料免除のおかげで、親の収入がない状況でも大学を卒業することができた。「自分の家は貧しいから大学進学なんてできない」と、経済的理由で初めから大学進学をあきらめてしまっている高校生や、大学新入生で知らなかった方には、ぜひこの制度を知ってもらいたい。また、周りの先生や大人がしっかりと伝えていただきたい。メディアも大学授業料免除制度について、もっと大きく報道して取り扱うべきだ。

37歳を迎えて

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平昌冬季パラリンピックの現地に入り、現地の熱量と選手のみなさんの活躍を目の当たりにしてきました。韓国から帰国直後に37回目の誕生日を迎え、多くの方からのあたたかいお祝いのメッセージをいただきました。あらためて、命を与えられ、こうして生かされていること、愛する家族と素晴らしい友人同僚たちに囲まれていることに感謝の気持ちしかありません。

 

36年間という12干支を三巡し、人生の四巡目を出発するとともに、人生の後半戦である次の36年を出発するにあたり、あらためて自分自身の人生を考えました。

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前半の36年間は地中に根を深くはる、そんな期間だったと思っています。見えないところで努力を重ね、基礎となる土台をかためていく期間です。その土台をベースにして、後半の36年間で大きく挑戦していきたいと思います。

 

一つは、妻と私の名前を冠した財団を創りたいと思います。名前はなんでもよいのですが、自らの経験やネットワークをいかして社会に貢献できる団体を創設するのが一つの夢です。まだまだ時間はかかりますし、36年間という長いスパンで考えていますが、現職の経験も絶対的にいかしたいと思っています。(あくまで36年計画なので、まだまだ現職を続けます。)

 

この夢に向かって、いろいろと挑戦してみています。将来、財団(基金)を運営するために、資産運用についても勉強を始めました。パラリンピックの選手たちにも日々刺激をもらっていますし、新たな公益財団法人としての日本財団パラリンピックサポーターセンターで新規事業を立ち上げるなかでも、たくさんの知見を得ています。

 

失敗もあると思いますが、これからいろいろと挑戦していきます。ぜひみなさまの叱咤激励と応援をお願いいたします。

 

コチラも新しい挑戦の一つです。これから奨学金改革に挑みます。ご購読の応援お願いします!

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ぐるなび会長さん、30億円で建物より給付奨学金に寄付してはどうですか?

Yahoo!のトップニュースに「ぐるなび会長が30億円、母校に国際交流施設 隈氏設計」という記事が流れていた。以下は提供元である朝日新聞の記事の抜粋。


 東京工業大は22日、大岡山キャンパス(東京都目黒区)に、日本出身の学生と留学生らが交流するための施設を建てると発表した。建設資金は、同大の卒業生で飲食店検索サイト「ぐるなび」創業者の滝久雄会長が寄付した30億円でまかない、建築家の隈研吾氏が設計する。2020年10月のオープンを目指すという。

ぐるなびの滝会長が母校の東工大に30億円もの寄付をするということ自体、素晴らしいことで純粋に賞賛に値する。他の起業家や経営者も、ぜひこれにならって社会貢献や教育への寄付を検討いただきたい。

 

そのうえで一言だけ申し上げると、せっかく30億円もの寄付をされるなら、ハコモノではなく、人材に支援することのほうが求められているのではないかという点だ。

 

『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』でも書いたが、今や大学生の2人に1人は貸与型奨学金を利用している。その返済が卒業後も重荷になっていることは、昨今大きな社会問題として注目されている。政府が創設する給付型奨学金もスタートするが、対象者が生活保護受給世帯などに限定されるなどかなり限定的だ。

 国の財政状況が厳しいなか、奨学金を行政だけに頼るのではなく、企業や民間からの寄付を大学が積極的に集めることで、独自の給付型奨学金を多数用意することが一つの解決策になりうる。

 

たとえば、今回のように30億円であれば、給付型奨学金を年間60万円(月5万円)支給しても、500人に10年間続けることができる。100人であれば50年間だ。一大学であれば、インパクトのある相当な規模の奨学金制度となる。学生にとってニーズのある使われ方になるのではないだろうか。より優秀な人材を大学にひきつけたり、経済的バックグラウンドにかかわらず多様な人材を集めることもできるようになる。

 

お金はハコモノより「人」に投資してほしい。

 

そして、今こそ奨学金の元になる民間からの寄付を各大学で本格的にファンドレイズしてはいかがだろうか。