本山勝寛 SNSフォーキッズ代表 公式ブログ | Katsuhiro Motoyama's Official Blog

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団で教育、国際支援、子ども支援事業に携わり、EdTechスタートアップを起業。 子供向けSNSフォーキッズを立ち上げる。『好奇心を伸ばす子育て』『最強の独学術』等著書多数。6児父4回育休。

『世界は村上春樹をどう読むか』

村上春樹の新作『1Q84』がだいぶ話題になっていた。私は、村上春樹の小説自体には正直まださほどの興味をもっていない。ただハーバードに留学していた頃から、HARUKI人気がアメリカでもかなりのもので、世界各国で読まれていることを知り、日本のソフトパワーを考える材料の一つとして関心を抱くようになった。
国際交流基金が企画した世界中の村上春樹翻訳者を日本に集めるという一風変わったシンポジウムの内容をまとめた本著は、そういう観点からは若干のヒントを与えてくれたように思う。欧米各国や韓国、中国、香港、台湾、それにロシア、ブラジルなどで村上春樹がどう読まれているか、そこに共通点、相違点はあるかなどが各国のケースから延々と語られている。
私が好きな三島由紀夫川端康成など、これまで世界で読まれていた日本文学のように、日本の匂いを一見感じさせない村上作品の海外での成功は、グローバリゼーションが進む現代世界と日本のソフトパワーとの関係に示唆を与える。

私の勤める日本財団でも、海外での日本理解を促進するためにこういったことを踏まえた事業を展開しようとしている。国際交流の事業、企画という観点からも、交流基金は面白いところに着眼したと思う。

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