本山勝寛 4kizフォーキッズ代表 公式ブログ | Katsuhiro Motoyama's Official Blog

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団で教育、国際支援、子ども支援事業に携わり、EdTechスタートアップを起業。 子供向けSNSフォーキッズを立ち上げる。『好奇心を伸ばす子育て』『最強の独学術』等著書多数。6児父4回育休。

「読み聞かせ」が最強な件について

ニューヨークから帰ってきたと思ったら、今ジュネーブに出発する途上だが、子どもたちと過ごせる出張の狭間の2日間を最大限活用し、子どもたちと遊びまくった。夕食を食べさせ、お風呂に入れて、歯磨きをしたら、一日の終わりは絵本の「読み聞かせ」で締めくくられる。うちでは、妻が読むか私が読むか、夜寝る前に絵本を読み聞かせるのが毎日の日課だ。

最近は特に、先日二歳になったばかりの次女(第三子)が絵本にはまっていて、アニメ絵本シリーズを15冊くらいもってきて、「これよ〜んで!」といってせがんでくる。「長靴を履いたネコ」や「花咲か爺さん」、「一休さん」、「足長おじさん」などがお気に入りだが、「ヘレンケラー」や「ナイチンゲール」といった偉人伝記ものを読んでると、読んでる親も感動してインスピレーションが与えられる。

このアニメ絵本シリーズは、実は妻が小さいときに読んでもらっていたお気に入りで、親子二代にわたって愛読していることになる。私自身も、貧困家庭で育ち、塾にも私立にも通うお金はなかったが、早くに亡くなった母から兄妹みんなで読み聞かせをしてもらった記憶が残っている。兄妹が多いので、母の両脇は兄と妹に取られ、たいてい私は母の頭の上という「特等席」を陣取っていた。最近出てきた生前の母の手記にも、「夜寝る前の子どもたちとの読み聞かせの時間が一番幸せな時間だ」と記されていて、親子が同じ想いと時間を共有していたことを知り、母の声が聞こえて気がした。

国際学力調査PISAで読解力上位常連のフィンランドでは、幼児の読み聞かせが伝統的に実践されているという。フィンランド語では「勉強する」という言葉は使われず、代わりに「読む」という言葉が多用される。いうまでもなく、読む力はすべての学力の基礎になる。親の所得や学歴以外にも、幼少期の読み聞かせが後の学力に正の影響を与えるという研究結果も示されている。幼児の習い事も結構だが、ぜひ夜寝る前の10分でも親子の読み聞かせの時間をとることを薦めたい。ほとんどお金のかからない、誰でも実践できる最強の教育法だ。

絵本の読み聞かせのメリットは、単に子どもの語彙力や読解力を伸ばすのによいという点に留まらない。親子が物語を通して「忙しい毎日のなかで忘れがちだけど、人生における大切なこと」を確認し合い、分かち合い、心と時間を共有することで、親子の絆が深まる。その親子の紐帯感が子どもにとっては絶対的な拠り所となり、何かに失敗したときも、何かに挑戦するときも、必ず帰ってくる場所があるという安心感につながる。親にとっても、親心を育み、忙しさのあまり忘れがちな大切なことに想いを寄せるよい時間となる。


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