まなブロ by 教育イノベーター本山勝寛

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団子どもの貧困対策チームリーダー。『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』 『最強の独学術』等著書多数。

欲しい子どもの数が二極化

厚生労働省が「第2回21世紀成年者縦断調査」の結果を発表した。朝日新聞の記事「「子どもいらない」独身の若者、増える傾向 厚労省調査」を抜粋すると以下の通り。

子どもを望まない独身の若者が10年間で増えている。厚生労働省が若者を対象に実施した調査で、2013年は希望する子どもの数を「0人」と答えた人が独身男性の15・8%、独身女性の11・6%。03年調査では独身男性が8・6%、独身女性が7・2%で、いずれも数ポイント上昇した。(中略)
子どもを望まない独身者が増えた一方、既婚者は逆の傾向にある。03年調査で既婚者のうち「3人以上」の子どもを希望する男性は31・4%、女性は30・4%だったが、13年調査で男性は46・2%、女性は47・4%にそれぞれ増えた。

少子化の大きな要因の一つが未婚化であることは間違いない。生涯未婚率はここ十数年で急上昇しており、男性で約20%、女性で約10%だ。雇用の不安定化など経済的理由も大きいが、そもそも結婚したくないと考える人の割合が増えている。この調査でも、特に独身者の間で、「子どもが欲しくない」と考える人の割合が大幅に増えており、生涯未婚率の上昇傾向と軌を一にしている。

一方で注目すべきは、既婚者の間では、「3人以上子どもが欲しい」と回答した割合が、男女ともに15ポイント近く増えて46%以上、約半数にものぼっていることだ。実際に3人以上子どもを持つ(完結出生児数3人以上の)割合は、ここ数年は既婚世帯のなかで2割強であることを考えると、かなり高い数字だといえる。

価値観が多様化するなかで、結婚もしたくない、子どもも必要ないと考える人の割合が増える一方、子どもをたくさんほしいと考える人の割合も増えている。日本人の家族観、子ども観は二極化の傾向にあるといえるのかもしれない。これは価値観の問題で、どちらが良いとか悪いとかいう話ではない。

一方で国の少子化対策を検討するうえでは、国が人々の価値観を強制的に変えることはできないので、ボリュームとしては増えている「子どもがたくさんほしい」という層にアプローチし、希望通りに子どもが持てるような環境を整えていくことが重要だ。そういった観点から、二人目、三人目以上の多子世帯支援を傾斜的に実施していくことが政策的には効果が期待できる。

子どもを3人以上欲しい人の割合が46%強、一方で実際に3人持てる人は20%。このギャップを埋めていくことが少子化対策の一つの鍵であるように思う。

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