まなブロ by 本山勝寛 教育イノベーター・日本財団子どもの貧困対策チームリーダー

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団子どもの貧困対策チームリーダー。『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』 『最強の独学術』等著書多数。

「仙台防災枠組」採択、障害者の役割新たに盛り込まれる

3月14日から18日まで仙台で開催されていた第3回国連防災世界会議において、2015年から30年までの国際社会における新しい防災対策の行動指針「仙台防災枠組2015−2030」が採択された。これまでの「兵庫行動枠組2005-2015」の後継となるもので、災害大国である日本が国際社会においてリーダーシップを発揮して取りまとめた成果といえよう。

既に報道にある通り、今回の特徴は減災目標を新たに盛り込んだことだ。

 減災目標は、30年までに世界レベルで災害による死亡率や被災者数を大幅削減するほか、国内総生産(GDP)に占める災害の直接的な経済損失を減らすとした。医療や教育施設など重要インフラの強靱(きょうじん)化、防災戦略を持つ国の数、途上国支援、早期警戒システムについても目標を設定した。(産経新聞

そして、「人間中心の予防的アプローチ」を謳い、多様なステークホルダーの役割の重要性が強調されたことも大きな特徴だといえる。そのなかで、特に今回新たに加わった要素として、障害者の役割が挙げられる。

先日の記事」でも書いたが、東日本大震災で障害者の死亡率が住民全体の約2倍にのぼり、兵庫行動枠組にも障害者に関する記述がほとんどなく対策が不十分だったとの反省と教訓から、防災に障害者の視点を取り入れ、障害者も参加するインクルーシブな防災の重要性を国内外で訴えてきた。それを推し進めるために、国連防災世界会議を障害者もしっかりと参加できるようにバリアフリーと情報保障を徹底する「アクセシブル会議」にすることを国連に提案し、日本財団が支援することにより実現した。手話通訳やリアルタイム字幕が提供されている様子が各紙でも大きく報じられ、"国連防災世界会議:「最も進んだバリアフリー」実践"(毎日新聞)との評価も得た。

 仙台市で開催中の国連防災世界会議は、障害者の参加に最大限配慮し、国連の会議としては「最もバリアフリーが進んだ会議」(国連担当者)になっている。本会議の作業部会に、障害者と防災に関するテーマを初めて採用。18日に採択される予定の新行動指針にも、障害者が地域防災に主体的に参加することの重要性が盛り込まれる見通しで、障害者を防災の主要な担い手とする考え方の世界への発信を目指す。

実際に、今回採択された「仙台防災枠組」では、「男女平等と全ての人にとってアクセス可能な災害対応、復旧、復興、リハビリテーションをリードし促進するために、女性と障害者をエンパワーすることが一つの鍵となる」と明記され、障害者が防災の重要なステークホルダーの一員として挙げられた。これまで訴えてきたことが盛り込まれ、障害当事者の声が反映された先進的な枠組であり、今後の国連や国際社会のモデルになり得るたものだ。このことに取り組んできた者の一人として感慨深いものがある。

ただ、重要なのは、この枠組をツールとして、障害のある人もない人も参加する具体的な防災対策を進め、次の災害が起きたときに、一人でも多くの命を救うことだ。各国政府と市民社会にも、ここで宣言し採択した内容を実践に移す具体的な行動を期待したい。

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