本山勝寛 4kizフォーキッズ代表 公式ブログ | Katsuhiro Motoyama's Official Blog

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団で教育、国際支援、子ども支援事業に携わり、EdTechスタートアップを起業。 子供向けSNSフォーキッズを立ち上げる。『好奇心を伸ばす子育て』『最強の独学術』等著書多数。6児父4回育休。

小学校の英語教育義務化に賛成/反対?

「iMiくちこみブログ」というところで、「小学校での英語教育の義務化」についての、トラックバックアンケートが行われています。

このブログでも、以前に、国語・社会以外の全授業を英語で行う韓国の中高一貫校を紹介した記事を書いた際に、英語の早期教育についての議論がありましたが、私自身の現段階での考えを書き記しておくと同時に、読者皆さんのご意見もお伺いしたいと思い、記事を書きます。
このブログの読者は留学志望者・経験者が多いので(実際に、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージランド、イギリス、台湾、韓国と多岐にわたっています)、英語教育については実体験をもった深い関心をもたれているはずなので、ぜひ皆さんのご意見もコメントで残してください。

端的に僕の意見を言うと、

小学校英語教育「義務化」には反対です。

すなわち、義務教育として全小学生に英語教育を施すのには反対、あるいは時期尚早だと考えます。

しかしながら、
国語の基本的能力が十分ある小学生の志望者には、公立小学校でも英語を学ぶ機会を提供することには、強く賛成します。


反対派意見の主な理由は、「日本語さえ危うくなっている現代において、母語習得がまだ完全に為されていない小学生の段階で英語を教えると、日本語がさらに混乱し、日本人としてのアイデンティティに危機をきたす。」というものだと思います。
他には、英語が正しく教えられる先生がいない、などもありますね。

正論だと思います。

一方、賛成意見の主な理由は、
日本人の英語能力、特に、リスニング・スピーキング能力の世界的な低さを憂い、もっと英語ができるようになるには、早い段階から慣れてしまうのが一番、というものでしょう。
国際化がますます進展する世界において、日本が世界におけるプレゼンスを維持し高めていくためには、国家を挙げた英語教育が必要だと考える背景がそこにはあると思います。

これも正論だと思います。


そこで、僕が考えるのは、小学校の他の授業(特に国語)が十分に理解できている優秀な学生には、正規授業時間以外に英語を学べる時間を提供するというものです。
また、これは学年でクラス分けするのではなく、レベル別でクラス分けします。
英語に早い段階で触れて、好きになった子は、どんどん進めていけるし、他の授業を重視しながらも、ちょっとだけ触れておくということもできます。
また、国語が苦手で英語の授業をとることができなかったけど、途中からがんばって国語も得意になり、英語を始めたいという子にも対応できます。
この制度をとることにより、英語早期教育に血走りがちな母親に対しても、子供たちに国語をまずしっかり勉強させる、とい方向づけにつながると期待できます。

優秀な生徒だけに英語教育を提供する理由は、日本語理解の優先という観点もありますが、国家的指導者教育という観点からも、そのように考えます。

英語を習ったところで、実際に英語を使うのは、ビジネスエリートや官僚、政治家、研究者、その他通翻訳やガイドなどの専門職に限るでしょう。となると、大半の日本人にとって、英語は必要ないということになります。
したがって、確率論的に、成績優秀な生徒は将来英語を使用する可能性が高いにの対して、そうでない生徒は英語と縁のない生活をしやすいわけです。反感を買いそうな意見ですが、もちろん、中学からでも高校からでもやり直すことは可能です。しかし、できる子、やりたい子はどんどん伸ばしていく必要はありますし、国もそういうがんばる子にはどんどん投資をすべきだと考えます。

僕は、世界的なリーダーが日本から多く出てきてほしいと願ってやまないので、そのためにも、リーダー・エリート教育を小学校から(公立でも)やっていってほしいです。
僕が主張する小学校英語教育は、そういった、国際社会において日本を担う人材、世界をリードしていく日本人をつくっていく教育だと考えています。

もちろん、この制度を導入すれば、中学入学段階での英語の実力にかなりの差が出てしまうでしょう。
したがって、中学・高校でもレベル別の英語クラス分けが必然的に要請されることになっていまいます。
文科省も教育現場も大変なことになるでしょう。
また、有名中高一貫校は入試科目に英語を導入するかもしれません。
これについては、私立は自由でよいと思いますが、中学入試科目としての英語はオプションにするのがよいと思います。つまり、やらなくてもよいけど、やって高得点なら+αの評価がされるという方式です。

皆さんの意見はどうでしょうか?
せひお聞かせください。


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