まなブロ by 教育イノベーター本山勝寛

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団子どもサポートTチームリーダー兼人材開発Tチームリーダー。『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』 『最強の独学術』等著書多数。

40歳の誕生日に息子から贈ってもらった短編小説『僕と父』

先日、誕生日を迎え、40歳になりました。 

12歳の長男・誠人から、「お父さん、誕生日プレゼントなにがほしい?」と聞かれました。長男は、4人の弟・妹たちを含めて家族の誕生日にいつもプレゼントを用意してくれます。

私は、「誠人が元気でいてくれるのがお父さんへのプレゼントだよ」と、はじめ答えました。でも、やはり何かをプレゼントしたいようで、何度も聞いてくるので、「誠人が書いた本がほしい」と答えました。

そんな父の”わがまま”に応えてくれて、手作りの「本」である『僕と父』という短編小説をプレゼントしてくれました。

そんな長男は、先日、小学校を卒業しました。

息子がプレゼントしてくれた小説を紹介します。

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『僕と父』

本山誠人

 


「ミーンミンミンミンミーン」とセミが鳴いた。

ある日の夏のこと、僕は暑すぎて床で眠っていた。

家には母しかいない。

父は数年前に交通事故で亡くなって天国に行ってしまったため。

僕は父にとても会いたいと思っている。

そして父がいなくなってしまったため、家の事は僕が手伝わなくてはならなかった。

母しか働く人がいないので、給料も少なく暮らしは貧しかった。

そのせいで僕は少し学校でいじめられていた。

そして僕は、いじめられるようになり、部屋に引きこもるようになってしまった。

父がいなくなっただけだけど、一気に暮らしが不便になってしまった。

 

 

話は戻るが、僕は床の上で眠っていて、夢を見ていた。

夢の中では、僕が住んでいる町と同じ風景が映っていた。

そして、家を出た時に僕の家で死んでしまったカエルが現れて、僕にこう言った。

「この先の裏山にあるトンネルの中に入れば、大切な人を取り戻せることができる。

ただし、生きて戻ってこれる保証はない。」

僕はしばらく考えた後、カエルに言った。

「分かった。行くしかない!」

そして、いつも裏山に行くルートを通って裏山まで来た。

裏山に着くとカエルが言っていたようにトンネルがあった。

そのトンネルはとても大きく、迫力があった。

穴の中は暗く、とても怖くて前に進めなかったその時、夢から覚めることができた。

 

 

「今の夢は何だったんだろう。」と思いながら、ほっぺをつねった。

「イテテテ。」

現実だった。

「今のはまさか正夢か。」

自分の部屋を飛び出し、家を出たらさっきの夢の中で出会ったカエルが出てきた。

そして、また夢の中のと同じ事を話した。

「これは正夢じゃないか。」と気付いて、すぐに裏山に向かった。

裏山にはやはりあのトンネルがあった。と次の瞬間だった。

「シューン」と穴の中に僕は吸いこまれた。

 

 

落ちた先は雲が下にあり、周りはたくさんの草花や動物、川、海などがある世界だった。

ここに父はいると思うと、会いたくて会いたくてたまらなかった。

すると、突然、家で死んでしまった犬が現れた。

そして、父がいる場所まで案内してくれるようだ。

この世界はとても面白い。

動物や植物と話せたり、空を飛べたりすることができる。

しばらく行くと谷があった。

僕は「余裕だよ。空も飛べるし。」と言ったが、

犬は「ここは飛べないんだ。でも、お父さんとの思い出と引きかえにならここは越えられる。」と犬は言った。

僕はしばらく考えた。

「よし、しょうがない。」

僕は父の思い出と引きかえに谷を越えることにした。

父の思い出を抜いたら、谷がなくなり、超えることができた。

また、しばらく歩いていくと大きな川があった。

また、思い出を使って、川をこえることができたが、僕と父との思い出はどんどんなくなってしまった。

 

 

川を越えてから一日経って、丘に着いた。

ふと上を見上げると、竜がいた。

どうやらこの竜を倒したら父に会えそうだ。

やるしかないと。と勇気を振りしぼり、竜に突進した。

しかし、あっさりと捕まってしまった。

もう終わりだ。と思ったその時だった。

家の前で会ったカエルが大きくなり、僕を助けてくれた。

そのままカエルはボロボロになりながらも竜を倒してくれた。

「ありがとう。カエル、大丈夫?」

するとカエルは

「僕は大丈夫だからお父さんがいる所に行って。」と言い、犬といっしょに父がいる所へ向かった。

 

 

そこには父がいた。

父と数年ぶりに再会した。

涙があふれた。

父も涙があふれていた。

父に会ったのもつかの間、父は透明になって、消えそうだった。

「待って、行かないでお父さん。」

「今までありがとう。」と言って、父は消えていった。

いつの間にかカエルも消えていた。

 

 

気がつくと、家に戻っていた。

「ただいま。」と言って家に入ると母が

「おかえり。」と返してくれた。

自分の部屋に入ると父が見守っているような気がした。

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