私は昔から文庫が好きです。
学生時代にお金がなかった頃、価格的に入手しやすい文庫本を中心によく読んでいました。古本屋でかなり安くなっている文庫も多く、まとめ買いして読んでいました。大学生の4年間で約1000冊読んだ本のうち、300冊くらいは文庫本だったと思います。文庫になっている本の多くは、長く読まれ続けているようなロングセラーで、いわゆるその分野で古典といわれるものが多いです。
私の座右の書は、内村鑑三の『代表的日本人』(岩波文庫)や、童門冬二の『小説 二宮金次郎』(集英社文庫)などですが、これらも文庫本になっています。東大で1番読まれた本としてロングセラーとなり、私自身も愛読してきた外山滋比古の『思考の整理学』(ちくま文庫)も、やはり文庫です。
そんな大好きな文庫の一角に、この度、拙著『最強の暗記術』(大和書房)もラインナップすることになりました。2018年に単行本が出版されて以来、たくさんの方々に読まれ続けていただいているからだと思います。より安く、より入手しやすく、より長く読んでいただける文庫になったことで、より多くの方にこの本の内容が届くことを願っています。
資格や語学、受験などで結果を出したいときに、その都度読み返して、<暗記1.0>を具体的に実践することができます。
またビジネスや様々なシーンでも、暗記をアウトプットに応用実践するための<暗記2.0>は、時代が変化するにつけ、益々重要になってきています。
そして、夢を叶えるための長期的暗記術である<暗記3.0>は、まさに生涯にわたって意識していただきたい内容です。
暗記という本のジャンルがあるとしたら、『最強の暗記術』は「暗記の古典」として長く読み継がれてほしいという強い想いをもって書いた本です。勉強に悩む子どもや学生が、そもそもの勉強の仕方、暗記の具体的なテクニックを学ぶ本として。あるいは、実践的なアウトプットが求められるビジネスパーソンが、暗記術をどのように応用実践するかを考えるヒントとして。そして、暗記という人間のもつ力を使って、人生を豊かにし、夢を叶えるための生涯の糧として。
最強の暗記術は、一度読んで終わりの本ではありません。ぜひ一つ一つの内容を、実際に読者自身が実践してみていただきたいです。そして、インプットとアウトプットを繰り返し、生涯にわたって暗記術を駆使し、学び続け、目標を達成し続けてください。そして、あなた自身の夢を叶える一助としてください。
為せば成る、為さねば成らぬ何事も。成らぬは人の為さぬなりけり。
(『最強の暗記術』文庫版発行「おわりに」から一部編集して転載)