本山勝寛 SNSフォーキッズ代表 公式ブログ | Katsuhiro Motoyama's Official Blog

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団で教育、国際支援、子ども支援事業に携わり、EdTechスタートアップを起業。 子供向けSNSフォーキッズを立ち上げる。『好奇心を伸ばす子育て』『最強の独学術』等著書多数。6児父4回育休。

実は重要な「やらないことリスト」

「もっと勉強しないとやばい」「一生学び続けないと激しく変化する社会で生き残れない」・・・そう思っている人は学生でも社会人でも多いです。でも、実践できている人は多くはありません。勉強の成果を出すのにどうしても欠かせないのは、勉強時間です。戦略的で効率的な勉強は重要ですが、さらに成果を確実に出すには、時間の確保が必要なのです。世に出回っている勉強法は、その点を曖昧にしているものも多いですが、私ははっきりと勉強時間を増やすことの重要性をお伝えしています。

 

たとえば、私が東大に向けて受験勉強しているとき、一日12時間から14時間勉強をしていました。学校が休みの日は、食事と家事、入浴と睡眠以外は一日中勉強時間にあてていました。ただし、一日14時間の勉強がすぐにできるようになったわけではありません。私は受験勉強を始めるまで、テスト直前以外は宿題をやるかやらないかぐらいだったので、一日の勉強時間が0分から30分ほどでした。それをどうやって一日14時間まで増やし、またそれを受験期間の一年間続けられたのでしょうか。独学で勉強時間を増やすのにもポイントがあります。『最強の独学術』でも書いた一つのポイントを紹介します。

最強の独学術 自力であらゆる目標を達成する「勝利のバイブル」

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 まずは、「やらないこと」を増やして、余白時間をつくることです。一日の時間は24時間と決まっているので、どうしても限界があります。一日のうちに、これまでの習慣や惰性でやってきたけど、よくよく考えるとやらなくてもよいことがあるなら、それをきっぱりやめるか、減らしていきましょう。そのために、「やらないことリスト」をつくってみましょう。

 

私の大学受験のときは、それまで1年半続けてきたアルバイトをきっぱり辞めました。家計を支えるためには必要なことではあったのですが、たとえ食べるものや着るものを我慢してでも受験に集中しようと思い、決断したのです。すると、それまで一日5時間、ほぼ毎日アルバイトをしていたので、その時間がぽっかりと空くようになりました。その余白時間が、勉強に活用できる時間になったのです。

 

アルバイト以外にも、学生であれば部活やサークルなどもあるでしょう。何かを辞めるという選択は難しい決断ではありますが、一年後の目標を確実に達成させるためには、必要なことかもしれません。これらは「やらないことリスト」としては大きな決断になりますが、それ以外にも、ゲームをやめる、スマホSNSを使うのをやめる、毎日飲み会に行っていたのを減らす、なども考えられます。これまでの毎日の生活を振り返り、必ずしも優先順位が高くないものを、「やらないことリスト」として明文化します。

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特に最近では、スマートフォンの利用が一日の時間の大半を占めている場合が目立ちます。未成年者のスマートフォン平均利用時間は、一日3.2時間という調査結果が出ています。特に、高校生では女子が6.1時間、男子でも4.8時間にものぼります。(デジタルアーツ株式会社調査2017年3月1日)1日平均約3時間、女子高生であれば6時間のスマホ時間をキッパリやめることができれば、それだけ勉強にあてる時間を確保することができるのです。もちろん、友達とのSNSでの会話をなくしたくないという人も多いでしょう。その場合、SNSをやる時間帯を一日30分だけに決めておく、移動のスキマ時間だけにして、勉強時間中はスマホをマナーモードにし、通知が鳴らないようにしておくなどのルールをつくることで、ムダな時間を少なくすることができます。

 

私が高校生のときにはスマートフォンなどありませんでしたが、大学受験の際には、「やらないことリスト」として無駄にテレビを観ないことを決めました。それまで観ていたドラマやアニメ、バラエティなどはきっぱりと観るのをやめ、一番好きだったスポーツニュースを一日15分だけチェックすることに留めました。スポーツニュースは時間が決まっているので、その時間帯だけテレビの電源をつけるというルールをつくれば、だらだらとテレビを観続けなくなります。

 

ほかには、音楽では「ザ・ブルーハーツ」が好きで毎日のように聴いていたのですが、聴き始めると興奮して止まらなくなってしまいます。そこで、2週間に1回、1時間だけ、部屋を閉め切ってブルーハーツのCDを大音量で流し、自分も思いっきり歌うというルールをつくりました。それ以外の時間は音楽を聴かない、という「やらないことリスト」に入れました。それでも2週間に1回のブルーハーツ大独唱会がストレス解消と、ポジティブな気持ちを高める時間になるので、メリハリのある生活になりました。

 

「やらないことリスト」を増やし、やらなくてもよいことをキッパリやめる、もしくはしっかり減らすことで、余白時間が確保され、勉強時間を現実的に増やすことができるのです。

(『最強の独学術』より一部抜粋編集)