政治家の金銭問題が後を絶たない。国民の代表として選ばれ、税金で自身の給与や歳費が賄われ、巨額の公金を扱う立場であることを自覚し、普段から襟を正していただきたいものだ。そんな政治家の先生方に、ぜひ読んでいただきたい今話題の本がある。
- 作者: 佐藤美由紀
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2015/07/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『世界で最も貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉』だ。アマゾンでも1位になるなど、話題になっているベストセラー本だ。ホセ・ムヒカ氏は南米の小国ウルグアイの元大統領。
単に貧しい国の大統領ということではなく、自らが素朴で質素な生活を選択しているところが大きな反響を呼んでいる。普段から大統領官邸を使用せず、自宅の質素な農場で生活。公用車を使用せず、古い自家用車を自らが運転して出勤する。海外出張のさいはエコノミークラス。大統領の月給も9割は寄付していたという。
ムヒカ大統領は、国際社会でも、自らの政治家としての信念をスピーチで発信してきた。2012年にブラジルで開催されたリオ会議(Rio+20)では行き過ぎた資本主義の消費社会に警鐘を鳴らし、最も衝撃的なスピーチとして話題を呼んだ。セネカの言葉を引用しながら、以下のように各国の首脳に向かって疑問を投げかけた。
質問をさせてください:ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか。
「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」
参照元 Read the original here: http://hana.bi/2012/07/mujica-speech-nihongo/#ixzz49IT5ITFc
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このムヒカ大統領のリオ会議でのスピーチは日系人で、私の友人でもある打村明氏によって初めて日本語に翻訳され、日本でも話題になった。それがきっかけとなり、スピーチの絵本がベストセラーになるなど、反響が飛び火している。
- 作者: くさばよしみ,中川学
- 出版社/メーカー: 汐文社
- 発売日: 2014/03/01
- メディア: 大型本
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いま、こんな騒動が起きているからこそ、すべての政治家は一個人の失態に問題を矮小化することなく、自分事として受け止めながら、ムヒカ大統領の言葉と実践を噛み締めていただきたい。
「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」
私たちは裕福なのか、貧しいのか?
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