"I have a dream.That one day on the red hills of Georgia. the sons of former slaves and the sons of former slave-owners will be able to sit down together at the table of brotherhood."
私には夢がある。いつの日か、ジョージア州の赤い丘の上で、かつての奴隷の子達と、かつての奴隷の所有者達の子達が、兄弟愛というテーブルで席を共にできることを。
有名なキング牧師の「I HAVE A DREAM」スピーチの一節です。昨日1月21日(1月第三月曜日)は米国で"Martin Luther King, Jr. Day"の記念日でした。私のツイッターとFacebookのタイムライン上にはキング牧師の顔と名言が英語で並んだのに触発されたので、このことについて書きたいと思います。
誰もが知るように、キング牧師は人種差別の撤廃を訴えた公民権運動の指導者です。しかし、彼が思いのほか若くしてその運動を指導し、ノーベル平和賞を受賞し、そして暗殺されたことはあまり意識されていないのではないでしょうか。彼が有名なバスボイコット運動を始めたのは、ボストン大学で神学博士号を取得し牧師に成りたての頃、26歳のときです。それから1963年、34歳のときに20万人のワシントン大行進で「I HAVE A DREAM」スピーチを行いました。翌年、彼が35歳のときに、公民権法制定の勝利を勝ち取り、ノーベル平和賞を受賞します。史上最年少の受賞だそうです。それから3年後の1968年、39歳で暗殺され亡くなります。
私は英語を必死に勉強していた頃、キング牧師のスピーチを何度も聴いて練習していました。その頃は、あの力強く威厳のあるスピーチの様子から40代くらいだと思っていましたが、いつの間にか自分自身がキング牧師の年齢に近づいてきたことに気付きました。歴史を変えることができるのは、地位や財産、権力だけではない。若くて、その何一つを持ち合わせていなくても、大きな夢と信念があり、その夢を多くの人と共有することができれば、世界は変えられる、新たな歴史を創造することができる。キング牧師はそのことを教えてくれます。
暗殺の前日にキング牧師が行った最後の演説を紹介します。これは、自らの死を予見したかのような内容で、ユダヤ民族の指導者モーセが約束されたカナンの地を山頂から眺めながらも、死の道を行かざるを得ないことを悟る場面(聖書の申命記32章)を彷彿させるもので、「I HAVE A DREAM」スピーチと並ぶ名スピーチとして有名です。
…前途に困難な日々が待っています。でも、もうどうでもよいのです。私は山の頂上に登ってきたのだから。皆さんと同じように、私も長生きがしたい。長生きをするのも悪くないが、今の私にはどうでもいいのです。神の意志を実現したいだけです。
神は私が山に登るのを許され、私は頂上から約束の地を見たのです。私は皆さんと一緒に行けないかもしれないが、ひとつの民として私たちはきっと約束の地に到達するでしょう。
今夜、私は幸せです。心配も恐れも何もない。神の再臨の栄光をこの目でみたのですから。
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