遊びの哲学〜兄弟対決
あふれるような好奇心を持って、イカれた人間であり続けるには・・・
その一つのヒントが「遊び」だ。
もうすぐ2歳になる第二子、長女のゆっちゃんが最近やたらとはまっていることがある。国旗だ。我が家には世界地図と国旗がかかれたポスターを貼ってあるのだが、その国旗を指差すために、「だっちょ(抱っこ)、だっちょ!」と私にせがみ、抱っこされたまま覚えている国旗を一つずつ指していく。今はだいたい30カ国くらいだ。この儀式が休日だと1日に20回、平日でも1日5回くらい行われる。まさにイカれてる。12キロ近くなった娘を抱っこするのはかなりの重労働で、親としては苦行に近い儀式だが、「にっぽん!」「ちゅいちゅ!(スイス)」「ぴぃぴん!(フィリピン)」などど目を輝かせて学ぶ娘の姿をみると、止めるわけにもいかない。
娘がこの儀式にはまったのは、4歳の兄まあくんの影響を多分に受けている。実は、お兄ちゃんもこの行為にはまっていて、それを赤ん坊の頃から見ていた妹が真似し始め、見事にはまったというわけだ。何でも兄の真似をしたがり、二人でつるんでいたずらをするのが、妹にとって一番の遊びであり、一番の学びになっている。
私自身、5人兄妹の4番目に生まれ、兄妹たちからの影響を多分に受けてきた。
少し長くなるが、私の処女作である『お金がなくても東大合格、英語がダメでもハーバード留学、僕の独学戦記』から引用してみたい。
お金がなくても東大合格、英語がダメでもハーバード留学、僕の独学戦記
- 作者: 本山勝寛
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/11/30
- メディア: 単行本
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五つも歳が違う兄は、僕が小1の頃小6で、その年の運動会でリレーのアンカーを務めて優勝した。足がずば抜けて速かったわけではない兄が、ああいう晴れ舞台に立てたことは運なのだろうか、実力なのだろうか。そんなことはさておき、当時の兄は僕にとってヒーローのようでもあった。僕は、あまり認めたくないのだが、この兄からいろんな影響を受けた。僕の趣味の中で、最も大きい二つ、中日ドラゴンズとブルーハーツのファンであることは、この兄の影響だ。
五つ離れたこの長男とタッグを組んで、いつも僕をいじめていた一つ上の次男をやっつけた。次男は僕にとって最大のライバルで、ずっと勝てない相手だった。僕は相撲大会などで年上の男にも勝っていたが、一つ上の兄にはどうしても勝てなかった。「敢えて勝たなかった」と言い訳をしたいが、本当に勝てなかったのだ。唯一勝つことができたのは、勉強と野球くらいである(ちなみにこの文章を書いたあと、その兄から「唯一」と書きながら二つも書くなとつっこまれた)。
兄を真似し、兄と遊び、兄と競い合うことで、学び、成長してきたのが私の少年期だったのかもしれない。特に、同年齢の友達より一歩も二歩も"進んだ"遊びを採り入れるのに兄は貴重な情報源、目標とするロールモデルだった。テレビゲームを買ってもらえなかった僕らは、自分たちで考え出した遊びをより面白くすることで近所の仲間を引きづり込んだ。遊びをブラッシュアップし、刺激的で、他のどんな友達の遊びよりも面白いものにする。そして勝つ。それが我が家の「遊びの哲学」だ。
あふれるような好奇心は遊び心から生まれる。誰かと競ったり、真似したり、笑い合ったり、時にはケンカしたりしながら、"真剣に遊ぶ心"から生まれるのだ。
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