私の子どもはいま2歳と0歳。あっという間に幼稚園、そして小学生になる。
そこで今日は小中学生の「放課後」の話。
今の子どもたちは放課後も塾や習い事で忙しい。経済的に塾に通えない子どもは、家に帰っても親はいないし、仲間と遊ぶ広場や空き地もない。塾に行かない子どもの典型的な放課後の過ごし方はゲームだ。結果的に、学力も社会的な経験においても、家庭の所得によって格差が拡がってしまう社会構造になってしまっている。
そういった傾向はアメリカでも顕著だ。アメリカの場合、学校から落ちこぼれることが少年犯罪にまで直結するので事態はより深刻だ。そんな社会課題を解決しようと、アメリカでは放課後プログラムを運営する大規模で専門的なNPOが多数存在する。
- 作者: 川上敬二郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/01
- メディア: 単行本
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最近発刊された『子どもたちの放課後を救え!』にはそんな、子どもたちの放課後の今、アメリカでの取り組み、そして日本でも放課後改革に挑む「放課後NPOアフタースクール」の取り組みが紹介されている。
著者はTBS記者の川上敬二郎氏。NPO代表平岩さんの友人であり、活動にも深く関わっている一人だ。以前、私の講演会をきっかけにお付き合いを始め、私も同NPOを個人的に応援している。
放課後NPOアフタースクールのコンセプトは「ゲームより楽しく、塾より学べる」。
地域で活躍する専門家である市民先生をコーディネートし、小学生が家つくりに挑戦したり、テレビ局の指導を受け市民記者になったりする。子どもたちは社会への関心を高め、自分の好きなことや特技を発見し、将来の夢を模索するきっかけとなる。参加料も材料費程度で長期的には格差を是正する力にもなる。
書籍のなかでは、NPOを職業とする収入面での葛藤もストレートに書かれており、NPOや社会的起業の現状を知るうえでも参考になる。
子どもたちの学びのために、日本の未来のために応援したいNPOであり、本著が取り扱う「放課後」は日本が国を挙げて真剣に考えなければならない社会課題だ。教育・NPO関係者、そして子どもを持つすべての親にお薦めしたい。