外山滋比古氏の『思考の整理学』を読んでいる。ずいぶんと前に書かれた本だが、東大・京大の大学生協で人気だったことで全国に火がつき、ロングベストセラーとなっている。そこで紹介されている気になった言葉がある。中国の欧陽修という人の「三上」というもので、「馬上、枕上、厠上」で物事の思考・発想がうまく進むという意味だ。現代でいうと、枕は夢や起きた瞬間、厠はトイレ、馬上は電車のなかや自転車だ。それにお風呂のなかをいれると、私がまさに新しいアイディアを浮かべたり、整理したりする黄金の時間で、遠い昔から人間の思考法は変わらないんだということに驚いた。
今日は仕事始めだったが、会長訓示でも言及されていたのが、24時間たえず頭のどこかで「いかによい仕事をするか」を考える必要があるとのこと。たしかに、価値ある仕事がうまれるのは、実は9時―17時以外のオフィスにいないときのほうが多かったりする。ちょっと心静めた自然体のときにこそ降りてくる「啓示」を今年も大事にしていきたい。