ハーバードやイェールなど優秀な新卒者を全米の貧困地域の学校に送るというアメリカのNPO「Teach For America」の創設者が書いた本『いつか、すべての子供たちに』を読んだ。
熱くなった。
Teach For Americaはハーバード留学中に結構気になっていた教育系団体の一つ。教育大学院にもここの出身者がいたし、スタッフのリクルートがきていたり、授業の教材になったりした。「アメリカ中のすべての子供たちに優れた教育を受ける機会を」というビジョンのもと、年間数億円の事業費で創立当初500人から千人規模の優秀な新卒教師を2年間、恵まれない環境の学校に派遣。派遣先の現場で様々な教室改革を実践し、多くのTFA教師が学力向上に成功している。2年後にプログラムが終了すると、教育界に残るもの(なかには学校を創立)、NPOを立ち上げるもの、企業に進むものとそれぞれだが、いずれも公共心とチャレンジ精神をもって社会に出る。そんな一大ムーブメントを作ったのが、大学卒業したての女の子だったことは私もあまり意識していなかったので、圧巻だった。数億円規模の事業費も企業や財団からの寄付、助成金でまかない、ほぼすべてを創立者である女の子がトップ渉外している。自転車操業、綱渡り的な財務運営がハラハラドキドキさせ、思わず応援したくなる。
現実よりもまず夢を信じること。ビジョンで周りを感化させること。少し忘れがちだったかもしれない。大事なことを思い出させてくれた。お薦めの本なので、ぜひ読んでほしい。