- 作者: 真山仁
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/12/14
- メディア: 文庫
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最近はそこそこ読書をしてきたつもりだが、次回作のネタでもあるのでブログではあまり紹介できていなかった。この本は次回作で触れていないが、面白かったので紹介したい。
「虚像(メディア)の砦」はテレビ局を舞台にした企業小説/経済小説。ハゲタカ(上) (講談社文庫)など最近人気の経済小説家、真山仁による作品。
中東での日本人人質事件と「自己責任」論にまつわる政府とメディア報道の対峙、バラエティ番組で視聴率を稼ぐ敏腕プロデューサーの葛藤、テレビ局経営陣の粉飾決算と総務省のやり取りなどがからみあう。下手な広報論の入門本を読むよりテレビ業界の内実が分かるし、純粋に経済小説として、ノンフィクション的小説として面白い。息をつかせず読ませる筆致力がある。おススメの一冊だ。