黄熱病とアフリカ、生物と無生物の間
アフリカ開発会議TICADの最中、新たに創設された「野口英世アフリカ賞」というアフリカの医療発展に貢献した人に贈られる賞の授賞式が行われた。野口英世はガーナで黄熱病の研究中に自らその病気に感染し、亡くなった。アフリカと医学の発展のために殉死した野口は日本の英雄となった。
その野口が命を懸けて闘った黄熱病の予防注射を受けることになった。野口が殉死した地、ガーナと同じ西アフリカの一国ギニアを訪れるためだ。他にもマダガスカル島と向き合う東アフリカの国モザンビークも訪問する。アフリカは私にとって初めての大陸になる。私に今できることは少ないだろうが、そこで何が必要とされているのか、何が求められているのか素肌で感じ取りたい。
- 作者: 福岡伸一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/05/18
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アフリカは広い。私の見る世界はそのほんの一部にすぎないだろう。
黄熱病という一つの病にどれだけの生命が落ちたのだろう。その「無限分の一」である野口の命は、思い半ばで閉じられたが、それがむだであったとは思わない。哲学者がいのちとは何かを問い続け、キリストが愛とは何かを問い続けて十字架についたように。
一つのいのちに、無限の宇宙を感じられる、一人でありたい。