ヒマラヤに魅せられた日本人がネパール国会議員に
引き続きネパールについてお伝えします。
ネパールから日本に帰国しようとカトマンズの空港で手続きをしていたところ、一人の在ネパール日本人と出会いました。
宮原巍さんです。
正確には、最近ネパール国籍を取得した「日系ネパール人」です。4月にはネパール国会議員になるかもしれない方です。
同僚がもともと知り合いだったこともあり、飛行機の中でつかまえてお話をお伺いしました。
写真:空港から撮影したヒマラヤ山脈
宮原さんは山岳部に所属していた学生時代にヒマラヤ登山を経験して以来、ヒマラヤ山脈、そしてヒマラヤの国であるネパールの魅力に取り付かれます。それから、ヒマラヤ観光の会社を設立され、42年間ネパールで暮らしてきたそうです。
もともと政治を考えていたわけではないそうですが、マオイスト(毛沢東主義派)の台頭や国王の直接統治と王制廃止の動き、各地の内乱など、極度に混乱した政治状況を見るに耐えきれず、国政に打って出ることを決意されました。
それから、ネパール国籍取得(日本人で初めて、外国人でも2人のみ(当時))、自らの党の設立と奔走され、今年4月に行われる選挙に党首として立候補される予定です。小さな党ではありますが、比例代表で党首である宮原さんが当選するのはほぼ確実ともいえる状況だそうです。
70を越えられてなおも母国以外の国のために行動する宮原さんの姿に触れ、ヒマラヤで培った精神と脚力が今も生きているのだということをひしひしと感じました。ぜひ、混乱するネパール状勢に一石を投じていただきたいです。