先日は記者発表を行いました。
現代日本の理解を促進するための図書100冊を海外に寄贈する事業についてです。
100冊を選定する上で委員としてご尽力いただいた白石隆先生やドナルト・リッチー氏などが会見の席に立ちました。
読売新聞が速報を出しています。
海外における日本のプレゼンスが日に日に落ちていることは、留学生活を通してひしひしと感じてきました。一方で、エズラ・ボーゲル先生やジョセフ・ナイ教授のもと研究した「日本のソフトパワー」について、日本は潜在的なソフトパワーをもっており、もっとそれを活用できるのではないか、そして、民間ができることがもっとあるのではないか、ということを感じました。近著「独学戦記」のなかの「ハーバード留学日記」のなかでも触れたところです。
そのなかで最も印象的だったのが、新渡戸稲造の著『武士道』が日露戦争における平和条約を締結する上で効果を発揮したのではないかという点。まさに「日本を理解するための図書1冊」が兵士何万人や強力な戦艦の如く「日本のソフトパワー」として働いたということ。
この「図書100冊寄贈」が、そのように目に見える形で働くわけではないでしょうが、海外の方々に日本をより理解していただき、それがより良き国際関係の形成に役立つことを願います。
そして、かつての『武士道』のように、日本が世界によきモデルを示すことのできる何かがうまれてくる日を願いながら。