どろろ、DVDで観ました。
ストーリーはすごく単純だけど、テーマである親子の憎愛について深読みさせられます。自分を捨てた血のつながった親。血はつながらない育ての親。人は自分が何者かという根源的な問いを考えるときに、自分の親が誰なのか、その親が自分をどうみているのかを中心に考えるのかもしれません。
川に捨てられたところを拾われるシーンが旧約聖書でエジプトの王女に拾われたモーセを、兄弟の再会と葛藤のシーンがエソウとヤコブを想起させられました。
そういった意味では普遍的なストーリー構造をもっているのかもしれません。
残念だったのが、アクションの部分がときおり陳腐だったところ。いくつも登場する怪物が、どっちかというとゴレンジャーやウルトラマンに出てくる悪者のようでした。そこら辺にも、もう少しお金をかけて、ハリウッドにも抗するような出来にしてほしかったなと感じます。
手塚治虫は世界に誇れる漫画家。日本のソフトパワーとして注目され始めているマンガ・アニメの元祖的存在。昔のマンガが映画化されたという観点だけでなく、世界に発信したらどうなるのか、外から見たらどう見えるのか、という観点で観てみても楽しめるかもしれません。