世界でも有数のオーケストラとして知られるボストン・シンフォニー・オーケストラ。
小澤征爾が音楽監督・指揮者として長い間務めたことでも有名ですね。
期末期間でやたらとプレッシャーのかかる時期ですが、友人から約15ドルでチケットを入手したので、初めて行ってきました。
前にハーバードのメモリアルホールで行われた無料コンサートを観にいったときに、教室の指揮者と言われるハーバード教授の芸術的授業とオーケストラ指揮者との比較について書きました。
そこでも書いたように、僕はクラシック音楽をたしなめるタイプの人間ではなく、勉強(?)の疲れもたまっていたせいか、前半はかなり眠かったです・・・
そんなウトウト、モウロウとしていた僕の魂を目覚めさせたのが、後半のベートーヴェン交響曲第三番「エロイカ(英雄)」。これは僕でも聞いたことのある超有名曲。
ベートーヴェンと言えば、突然の聴力障害を乗り越えて、数々の名曲を歴史に残したことで有名ですが、彼の難聴が始まったのが20代後半だというので、僕の年齢とさほどかわりません。そして、絶望の淵を越えて発表した作品がこのエロイカだそうです。
音楽音痴の僕でも、思わず戦慄する瞬間を感じたのは、絶望と闘ったベートーヴェンの命が今もなお生きているからでしょうか。
下は、その絶望と闘う様を告白した、有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」の英訳の一部です。
I heard nothing, such incidents brought me to the verge of despair, but little more and I would have put an end to my life - only art it was that withheld me, ah it seemed impossible to leave the world until I had produced all that I felt called upon me to produce, and so I endured this wretched existence - truly wretched, an excitable body which a sudden change can throw from the best into the worst state - Patience - it is said that I must now choose for my guide, I have done so, I hope my determination will remain firm to endure until it please the inexorable parcae to bread the thread, perhaps I shall get better, perhaps not, I am prepared.
そういえば、昨日僕がプレゼンした同じ授業で、先日少し紹介した聴覚障害を持つ友人がEducational Interpreter for Deaf(聴覚障害者のための教育通訳者)教育について発表していました。
これまであまり考えたことがなかった分野だけに、感じる内容が多かったです。
質疑応答の中でも、この案をマサチューセッツ州に提出したいということを言っていました。
卒業後もハーバードでの学業生活以上に活躍してほしいですし、障害者の教育機会の拡大に貢献していってほしいです。
僕も、そういう分野に対しても視野を広げていきたいと思います。
そして、どんな絶望にも打ち克つ「英雄」の魂に想い馳せながら・・・