本山勝寛 4kizフォーキッズ代表 公式ブログ | Katsuhiro Motoyama's Official Blog

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団で教育、国際支援、子ども支援事業に携わり、EdTechスタートアップを起業。 子供向けSNSフォーキッズを立ち上げる。『好奇心を伸ばす子育て』『最強の独学術』等著書多数。6児父4回育休。

『鬼滅の刃』に学ぶ個性を伸ばす子育ての極意

社会現象となった『鬼滅の刃

鬼滅の刃』が令和を象徴する社会現象となっています。
2020年10月から公開された『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』は、これまで『千と千尋の神隠し』が記録していた興行収入324億円を超えて、日本の歴代興行収入1位の座に輝きました。
原作コミックは全23巻で累計発行部数が1億2000万部を突破しています。

いつの時代にも、人々の共通言語となるような、その時代を象徴する文化作品が生まれるものです。

鬼滅の刃』は間違いなく、令和を代表するシンボル的存在となっています。

子どもだけでなく親世代にも人気

 小中学生の子どもたちが、男女に関係なく『鬼滅の刃』にはまっていることはもちろんですが、実はその親世代も一緒になって映画を観たり、マンガを読んだり、関連グッズを購入したりという特徴があります。

我が家には5人の子どもがいて、一番下の3歳児以外は5歳から12歳まで全員が『鬼滅の刃』にはまっています。

実は、そのきっかけは親である私自身が、同僚のママ友から「これメチャクチャおもしろいから読んでみて!」と薦められて借りたことがきっかけでした。

子どもにも親にも共感される作品だからこそ、『鬼滅の刃』はこれだけの社会現象になっているのでしょう。

 

鬼滅の刃』には子育てのヒントが

では、親目線、大人目線で『鬼滅の刃』を読むと、どんな作品なのでしょうか。もちろん、純粋にエンターテインメントとしておもしろいのですが、実は子育てのヒントがふんだんに散りばめられた作品だと私はとらえています。

主人公をはじめとする個性のある子どもたちが、師匠や先輩、親や同僚たちの「育て」によって心技体ともに成長していく物語です。

子どもたちは、炭治郎や善逸、伊之助やカナヲといった若い登場人物に自分たちを重ね合わせて同じ目線で共感しているのだと思います。

一方で、親はそれら若い登場人物たちを自分の子どもに重ね合わせて読むことができます。

そして、子どもたちが成長していくために必要な経験や環境、モチベーションを高めるための声掛けや育て方などを読み解くことができるのです。

時代の象徴となった『鬼滅の刃』には、子どもたちが共感できる要素がたくさん含まれています。

現代の子どもたちの心に響く何かがあるのです。

そうであるなら、現代の子どもたちの成長を後押しし、育てていくためのヒントもたくさん散りばめられていると言えるでしょう。

 

個性を強みとして伸ばし、好奇心を育む

その核となるのは、一人ひとりの個性を伸ばし、育てていくという観点です。

私はハーバード教育大学院で世界の教育を研究し、子育てや教育に関する書籍を執筆しながら、日本財団で子どもの生き抜く力を育む施設「子ども第三の居場所」を全国で37カ所展開する事業を統括しています。

 

 それらの立場から、これからの時代は、子どもの個性を強みとして伸ばし、好奇心を育みポジティブな成長を促す子育てこそが、重要であると考えてきました。

そして、これからの時代に必要な子育てのあり方と、『鬼滅の刃』に散りばめられている「育て」のヒントが驚くほど一致しているのです。

そのことにはっと気づいたとき、『鬼滅の刃』を題材に子育てについて語ることで、多くの親や大人たちが子どもの個性を楽しく伸ばす後押しになるのではないかと思うようになりました。

 

鬼滅の刃』と子育てをテーマにオンライン講演 

そこで、オンラインで「『鬼滅の刃』に学ぶ個性を伸ばす子育ての極意」をテーマに講演会を開催します。

私自身が日々悩みながら5人の子どもたちを育てている親ですが、私と同様に子育てに悩んでいる親御さんたちにとって、「鬼滅の子育て」が有用なヒントとなり、少しでも勇気を与えるものになりましたら幸いです。

参加申し込みは以下のリンク先Campfireからご登録ください。

community.camp-fire.jp

小学生の息子が生物分類技能検定3級に合格しました!

自然環境研究センターが行う、生物分類技能検定という検定試験があります。

生物分類技能検定は、生物に関心をもつ方々を対象に、分類の知識向上を目的とし、野生生物や自然環境の調査・保全を担う人材を育てるとともに、動物分類学や植物分類学の発展に寄与しようとするものです。さらに、野生生物調査に関わる生物技術者の育成と、自然環境調査の精度向上への貢献をめざします。

生物分類技能検定1級、2級の登録者は、環境省の「一般競争(指名競争)参加資格申請」の有資格者として認められています。そのほか林野庁地方自治体などの自然環境に関わる調査・保全業務等の入札資格としても取り入れられています。

 

1、2級はプロ向けの検定、3級は高校生以上の準プロ、4級は初級者向けの検定とのことです。

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自然環境研究センターホームページより

 http://www.jwrc.or.jp/service/approval/examinee/class_list.htm

 

さて、この生物分類技能検定3級に小学6年生の息子がチャレンジし、この度合格することができました!

3級はかなり難易度が高く、問題集を解いたり、各種の図鑑を読んだり、スケッチをしたりと独学に励んでいましたが、小学生のうちは合格できなくてもチャレンジすることに意味があるという想いから、本人が自分の意思で取り組んできたものです。

当然ですが、試験会場に来ていたのはみな大人で、子どももちらほらと数名いましたが、毎年3級に合格する小学生はほとんどいないそうです。

そんななかでの合格はほんとうにうれしいです。

3、4歳の頃に虫探しで生き物への好奇心が芽生え、近所の公園でザリガニ釣りに初めて成功してから、自分で生き物観察ノートを書いたり、図鑑や本を読み込んだりと、いきものハカセへと成長していった息子。

小学校最終学年の今年度はコロナ禍で我慢しなければならないことも多かったですが、コツコツとがんばってきたことが報われてよかったです。

おめでとう!!

 

息子が好奇心を伸ばしていったプロセスは拙著『好奇心を伸ばす子育て』でも紹介しています。

 

 好奇心や創造性を刺激する、小学生が安全に利用できる12歳以下子供向けSNS「4kiz(フォーキッズ)」は以下URLから

https://4kiz.jp/2022/07/app/

2021年は「立旗導千」

2021年が始まり10日が過ぎました。

年明けから緊急事態宣言で始まり、今年も世界が困難に直面するなか激動の一年となりそうですね。

私は毎年の一年をスタートするにあたり、その年の目標を定め、テーマとして力を入れたいことを標語にして書に記して掲示をしています。成人してから毎年続けている習慣なので、かれこれ20年続けています。

一年をただなんとなく漫然と過ごすのか、目標を定めて挑戦して振り返るのかで、大きな違いが生まれます。そして、それを生涯続けて貫き通すかどうかで天地の差が生じるものと考えています。

ということで、2021年は「立旗導千」としました。

 

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今年は私自身40歳を迎える年で、「不惑」の歳となります。論語にあるように、四十にして惑わず、ですね。

子曰、
「吾十有五而志于学。
三十而立。
四十而不惑
五十而知天命。
六十而耳順
七十而従心所欲、不踰矩」。


子曰、
「吾十有五にして学に志す。
三十にして立つ。
四十にして惑はず。
五十にして天命を知る。
六十にして耳順(したが)ふ。
七十にして心の欲する所に従へども、矩(のり)を踰(こ)えず」。

 

そして、不惑の歳である四十になる今年、「旗を立てる」ことを意識していきたいと思っています。
世の中に対してこういう社会にしていこう、こういうことをやっていこうと旗印を掲げ、そこに集まってくれる仲間を募っていきたいです。

そのうえで、千人(数多くの人々)を導くことのできるような、そんな挑戦をしていきたいと思います。


今年一年よろしくお願いします!!

 

 

2020年自分史10大ニュース

2020年も残りあと数時間となりましたが、恒例で行っている自分史10大ニュース2020年版を書き留めておきたいと思います。

2020年はなんといってもコロナでしたが、そんななかたくさんのチャレンジができたとも思います。制限と困難の多い年でしたが、だからこそ変化を生み出すこともできたのかと思います。

 

1. コロナ禍学校休校で家族みんなでステイホーム

 

2. 『自力でできる子になる好奇心を伸ばす子育て』出版

 

3. フジテレビ「ノンストップ」出演

 

4. 『そうゾウくんとえほんづくり』オンラインワークショップ開催

 

5. 子ども絵本づくりコンクール企画開催

motoyamakatsuhiro.hateblo.jp

6.  仕事がテレワーク化、コロナ緊急支援策

 

7. 日本財団子どもサポートチームのチームメンバー増と第三の居場所事業拡大

 

8.  次女が小学校入学、長男が小学校最終学年

 

9. 家族みんなで『鬼滅の刃』にハマる

 

10. 家族みんなが健康で無事に一年を過ごす

 

なんといっても、健康でいられることがどれだけ感謝すべき大きなことなのかを実感させられる一年であり、また医療従事者はじめ多くの方々に敬意を表したいです。

みなさま、今年一年本当にお世話になりました!

2021年もよろしくお願いいたします!

オンライン講演会「出版ってどうやって進んでいくの?」開催案内

オンライン講演会「出版ってどうやって進んでいくの?」を開催し、講演を行います!

本の出版というキーワードを切り口に発想術、企画力、交渉力、やり抜く力、時間術、アウトプット力等々お話したいと思います。何かをカタチにして実現したいという方のヒントになればうれしいです。
ぜひご参加してみてください!

以下、案内文です。興味のある方はぜひご参加ください。

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オンラインサロンMSI塾主催

本山勝寛塾長に聞く!「出版ってどうやって進んでいくの?!」

アウトプットをしている誰もが一度は描く「出版」の夢。

本山塾長はすでに16冊出版しているので、企画から出版の流れをつかんでいます。

今回の「本山塾長に聞く!」はこの出版に対して深堀りをしていきます。

 

◇ 1冊目を出版したきっかけ

◇ 2冊目以降を出せるようになった流れ

◇ 10冊以上出版したからこそわかること

◇ 考えをカタチ(書籍)にする本山流ノウハウ

◇ 出版したい人がするべきこと

 

を聞いていきます!

 

11月15日(日)22:00-

参加方法:オンライン(ZOOM)

詳細と参加申込み手続きは以下リンク先のCAMPFIREからよろしくお願いします。

community.camp-fire.jp

『自力でできる子になる好奇心を伸ばす子育て』発売!序文全文公開します

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拙著『自力でできる子になる好奇心を伸ばす子育て』を出版することができました!

この本を書いた想いと、いまなぜ「好奇心を伸ばす子育て」が必要なのかを綴った序文を全文公開させていただきます。

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今、日本の子どもたちに最も足りていないものはなんでしょうか?

数学や科学、国語などの学力でしょうか?それとも、英語力やプログラミング力でしょうか?

どれも必要な力かもしれませんが、最も足りていないというほどではありません。国際学力調査では日本の学力そのものは国際的順位を上げ、上位グループにあります。英語もプログラミングも小学校から授業が始まります。英語は学校での英語教育が始まる小学3年生から大学まで含めると、14年間も勉強し続けることになるのです。

 

では、日本の教育になんとなく漠然とした不安を感じるのはなぜでしょう?

たしかに、日本の子どもたちはテストをしてみると高校生までは平均的な学力は高いですが、国際的にみると圧倒的に数学が嫌いで、科学が嫌いであり、年齢を重ねるごとに本を読まなくなります。英語もそれなりに文法の知識はありますが、極端に苦手意識があって実際に英語で話そうとせず、結局使えないため嫌いになります。受験のため、塾に行かせれば一時的に各教科のテストの点数としての学力は伸びますが、本音では「嫌い」なため、受験というゴールがなくなれば、その後は自分で学ぼうとはしません。
この日本の子どもたちの矛盾を紐解く非常に重要な鍵があります。

 

私は、その鍵を、実際に自分の子どもたちの子育てに悪戦苦闘するなかで発見することができました。私には5人の子どもがいます。現在、11歳小学6年生の長男と、9歳小学4年生の長女、7歳小学1年生の次女、5歳年中の三女、2歳で末っ子の次男です。

長男がまだ小さかった頃、私たち夫婦も親としてはまさに初心者で、子どもの将来になんとなく不安を感じ、あれこれといろいろとやらせてみては、子どもの気持ちがついていかず、うまくいかなかったことが多々ありました。英語の幼児教室にいっても馴染めずにすぐ辞めたり、幼稚園でも園のプログラムが合わず、一人で過ごし問題視されるようなことが多かったです。

 

そんな悩みを抱えていたとき、子どもが大好きなことにとことんつきあって、自分も一緒に親子で思いっきり楽しもうと開き直ることにしました。すると、子どもがいきいきと好きなことに没頭し、自ら図鑑で調べるようになったり、本を読むようになったり、自ら何かを書いたり、つくったりするようになったのです。
子育てが楽しくなり、子どもが大好きだという気持ちが素直に溢れるようになりました。その結果、いつの間にか、子ども5人にもなりました。(笑)

日本の子どもたちの矛盾を紐解く重要な鍵、私が5人の子どもの子育てで悪戦苦闘しながらみつけたその鍵とは、「好奇心」です。

そして、好奇心をもって自力で学び続ける力です。

 

日本の子どもたちは、数学も理科も本を読むことも嫌いです。やらされているからしかたなく勉強していますが、自ら興味関心を持ってもっと知りたい、探求したいという好奇心が欠けているのです。すると、親や学校があれこれと用意する大学受験まではなんとかなる場合もありますが、本当の学びが始まる大学生や成人後は、ぴたっと学ばなくなってしまいます。すると、成長がストップしてしまいます。日本が今国際社会のなかで伸び悩んでいるのは、そんな要因があるのではないかと思います。


私は、ハーバード教育大学院で世界中から教育界のリーダーや研究者たちが集まる環境で世界の教育を研究しました。国際的な研究の第一線でも、学力テストでは測定できないが重要な力である「非認知能力」が注目を浴びています。そのなかでも特に日本人が足りていない力が何かを探求すると、やはり好奇心であることが分かってきました。
勤務先の日本財団では子どもサポートチームの責任者を務め、子どもたちが家庭環境に関わらず誰もが自立する力を身につけられるようサポートする施設「第三の居場所」を全国に35箇所以上開設運営しています。ここでも、様々な体験や機会を通して、子どもたちがいかにして自力で学び続ける力をつけてもらうかという観点でサポートをしています。

この本では、ハーバード教育大学院をはじめ、世界の最前線の研究によって分かってきていることと、私自身が5児の親として子育てに悪戦苦闘しながら実感してきたこと、そして、日本の多くの子どもたちの支援をするなかで見えてきたことを、いかにして子どもたちの好奇心を伸ばし自力で学び続ける子に育てられるかという観点でまとめています。

 

テストの点数を伸ばすことに比べて、好奇心を伸ばすことは数字で表すことができず、どうしたらよいのか分かりづらいです。だからこそおろそかにされてきましたが、実は子どもにとって何よりも重要なことなのです。また、学校や塾でも好奇心を伸ばす方法は教えられていません。既存の教育機関には確立した手法はないといってよいでしょう。
とはいえ、子どもにとって重要だというなら、具体的な方法を知りたいのが親としての心情です。この本では、子どもの好奇心を伸ばし自力で学び続ける子を育てるための具体的な方法を一つ一つ紹介しています。読者の皆様に分かりやすいように、国語、理科、体育、算数、社会という教科の切り口によって章立てし、それぞれ実践的な子育て法のエッセンスをまとめています。
対象としては、ちょうど私の子どもの年齢である、2歳から小学校卒業くらいまで参考にしていただける内容になっています。

 

初めから順番に読んでいただいてもよいですし、子どもの好きなことを伸ばしたい、苦手なことを克服したいという観点で特に気になる章から読んでいただいてもかまいません。全てをいっきに実践できなくても、まずは一つでも試してみてください。
好奇心いっぱいで、いきいきとした子どもの姿をぜひ実感してみてください。そして、そんな子どもの姿に刺激を受けながら、親子で楽しみながらこの本で紹介する子育てを実践されていけば、きっと自力で学び続ける子どもに育っていくでしょう。

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ウィズコロナ時代にこそ読んでほしい『最強の独学術』が文庫化されました!

拙著『最強の独学術』がこの夏、文庫化され発売開始となりました!

 

コロナ禍で一斉休校やテレワークを経験し、ウィズコロナ時代に直面している我々は、今まで以上に「独学」の重要性に気付かされているのではないかと感じます。

 

同じ場所で、同じ時間に、同じ内容を、一斉で聴講する近代工業化社会の授業型教育は、既に時代に合わなくなっています。

自らが独立して主体的に、ドキドキワクワクしながら学び続ける「独学力」こそが、新しい時代に求められる力になります。

 

文庫化にあたり、コロナの時代的影響についても加筆しました。

文庫で入手しやすくもなったので、ぜひ読んでみてください!

 

最強の独学術 (だいわ文庫)

最強の独学術 (だいわ文庫)

  • 作者:本山 勝寛
  • 発売日: 2020/08/08
  • メディア: 文庫