まなブロ by 教育イノベーター本山勝寛

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団子どもの貧困対策チームリーダー。『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』 『最強の独学術』等著書多数。

僕がコンサルの内定をすべて蹴った理由〜ボストンキャリアフォーラム回顧録

僕の就職活動の話をしてみようと思う。

 

就職活動とは天職探しだ。

自らの天賦の才と情熱を注ぐことのできる職を探し、最終的に人生の選択を為すという一大行事だ。

それと同時に、食って生活をしていくためにお金を稼ぐ手段を得るという現実もある。

 

僕がハーバードに通っていた頃、ほとんど就職活動に関する知識がないなか、地元のボストンで世界中の日本人留学生が集まる就活イベントである「ボストンキャリアフォーラム」というものがあるということを知った。友達が、自分は出るんだけど、君はどうするんだと聞かれて、慌ててメンバー登録をした。

 

ボストンキャリアフォーラムの参加企業を見てみると、名だたる日系大企業から有名な外資企業が並んでいた。でも、僕はそれらにほとんど関心が行かなかった。世界をよりよくするために教育や社会課題の解決に取り組みたいと思っていたからだ。そんなことを本業として取り組んでいる企業はあまり見当たらなかった。

 

とはいえ、多額の借金(貸与奨学金)をして大学生活と大学院留学生活をして、結婚までした身としては、そろそろお金を稼げる職につかなければならない。自分が本当にやりたいことかどうかは分からないが、いくつか企業へのエントリーもしておいた。特に、スキルアップにつながり、将来自分が本当にやりたいことをやろうとするときに役立ちそうなコンサルティングファームの面接をいくつか受けることにした。

 

ボストンキャリアフォーラムという就活イベントは、日本の就活事情とはかなり異なり、開催日の2日間で内定がその場で出るという超短期決戦だ。私は、なんとなく受けた名だたるコンサルティングファームから2日間でいくつも内定をいただき、狐につままれたような気持ちになった。

 

おそらく、東大とハーバードという学歴が功を奏したのだろう。これで、なんとか卒業後食っていけるという安心感だけは得られた。

 

しかし、ほんとうにこれでよいのだろうか。

そんな気持ちが心に引っかかっていた。

 

僕は自分がほんとうにやりたいことを、自らの心に問いかけた。

国内外の社会課題を解決し、日本をして世界に貢献できる国にしていく。

それが僕の夢だった。

 

その夢を直接的に仕事とできる天職はないか、そんな問いに一番近い仕事が、「日本財団」だった。

 

年間約300億円 (現在は約500億円)の事業予算をもって、日本国内でも海外でも社会貢献事業に取り組む日本最大の助成財団。教育や福祉、国際協力と幅広い社会課題を取り扱っている民間組織。

 

日本をして世界に貢献できる国にしたい。

それも、政府の立場ではなく民間の立場で新たなイノベーションに取り組みたい。

日本の非営利業界をアメリカがそうであるようにもっと活性化したい。

そんな夢に挑戦するにはもってこいの組織であることが分かった。

 

面接を受けてみたら、二次面接までは合格したけれど、最終面接には日本に一時帰国しなければならない。他のコンサルティングファームは既にボストンキャリアフォーラムの2日間で内定をもらっている。しかも、日本財団よりも明らかに給料が格段に高い。当時から「コンサル」という職種へのブランド価値は高かった。お金や社会的な肩書を取るべきなのか、そうではない選択肢を取るべきなのか、正直相当に悩み苦しんだ。

 

悩んだまま、交通費が支給されたので、東京で日本財団の最終面接を受け、そこで内定をいただいた。それでもまだ悩んでいた。

 

でも、僕は人生の選択肢で悩んだときに決断する考え方がある。

 

より難しい道を選ぶこと。

心の底からやりたいと思えることを選ぶこと。

 

この選択の公式からすれば、給料の高いコンサルではなく、ほんとうにやりたいことができ、かつ当時の社会的評判はともかく自分がそこで挑戦することで日本と世界を変革できるポテンシャルのある日本財団に賭けてみることにした。

 

いろんな懸念点は自分が当事者として払拭し、解決すればよい。

難しい道でも、心が向かう道を選びたい。

 

僕がコンサルの複数の内定を蹴って、日本財団を選んだのは、そんな葛藤の末の決断だった。

 

ところで、日本財団はいままさにボストンキャリアフォーラムでの採用エントリーを10月7日まで募集している。志ある方にぜひ応募を検討いただきたい。

 

 

www.nippon-foundation.or.jp