本山勝寛 4kizフォーキッズ代表 公式ブログ | Katsuhiro Motoyama's Official Blog

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団で教育、国際支援、子ども支援事業に携わり、EdTechスタートアップを起業。 子供向けSNSフォーキッズを立ち上げる。『好奇心を伸ばす子育て』『最強の独学術』等著書多数。6児父4回育休。

父の日にお薦めする「子どもの好奇心と身体能力を伸ばす親子体操」

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父の日ですね。

ということで、5児の父親のハシクレとして、世のお父さんたちへのエールをこめて、私がお薦めする実践子育て法の一つを紹介します。

それは「親子体操」です。

 

運動が子どもにとってよいことは誰もが知っていることですが、それは公園や外、あるいは習い事でだけでしかできないわけではありません。家のなかでも実践可能で、実は幼少期における重要な活動の一つとなります。それが親子体操です。親子体操はカラダを動かし身体能力を伸ばすという点だけでなく、ココロのベースをつくり、好奇心を育むのにとても効果的な実践法です。

まずは具体的な親子体操の方法を紹介します。

1.タカイタカイ

代表的な親子体操「高い高い」は、誰もが知っていると思います。子どもの両脇を大人が持って、勢いよく思いっきり上に持ち上げる体操です。0歳児から9歳くらいまで、確実に子どもは大はしゃぎして喜びます。「もっともっと!」と何度もせがまれるので、大人の立場からしたら、腰や腕がきつい運動になります。子どもの立場からすれば、自分が日常生活ではできないようなダイナミックな動きを体感でき、普段の視点とは異なる高い視点からセカイを見下ろすことができるので、まるでジェットコースターに乗っているような感覚です。10代にもなれば、ジェットコースターに乗るとドキドキワクワクしてアドレナリンがたくさん出る感覚になりますよね。大人になってもそうだと思います。子どもにとって「高い高い」は、そんな感覚を得られる親子体操なのです。我が家では、かなりやりまくっています。

2.ヒコウキ

同様に代表的な親子体操として「ヒコウキ」もあります。大人が床にひざを立てて座り、子どもの両脇を大人が両手で持って、子どもの腰を大人の足でおさえて仰向けになることで、子どもが飛んでいるような体勢をつくる運動です。これも、子どもがまるで飛んでいるような感覚になれるので、大人気の親子体操です。「キーン」という効果音をつけたり、「ワン、ツー、スリー、発射!」と雰囲気を出したり、「東京発ニューヨークに出発しま~す」と航空機ごっこをしたりすると、さらに盛り上がります。我が家の場合は、最後に子どもの両脇を持っている私の手で子どもをコショコショとくすぐると、子どもが空中で大笑いして転げ回って終了というパターンが多いです。これも本山テーマパークの大人気アトラクションになっています。

 

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3.グルリンパ

3つ目の定番が「つかまり逆上がり」です。あまり正式名称がなく、我が家では「グルリンパ」と呼んでいます。まずは、大人と子どもが立って向き合い、両手をつかみ合います。そして、子どもが大人のひざやお腹に自分の足つけて、登っていきます。大人のお腹から胸のあたりまで登れたら、子どもが逆上がりをするように全身を回転させて着地します。その間、大人がしっかりと子どもの両手をつかんでおいて、安全を確保し、運動を補助します。一見難しそうですが、鉄棒で逆上がりができるようになる前から、2、3歳くらいからできるようになります。これは、子どもにとっては経験したことのないような純粋に楽しい身体運動ですし、「自分がやってみることで何だかすごい動きができた!」という自信にもつながります。

 

4.お姫様抱っこプリンセス

ほかには、小さい乳幼児にはギッコンバッコンもよいです。6歳以上の大きい子には親子跳び箱もよくしています。娘たちには「お姫様抱っこ」をして抱き上げながら、ディズニー映画アラジンの主題歌「A Whole New World」を歌って、ユラユラと動かしたり、回ったりとプリンセスごっこもしています。どの体操も親子で触れ合ってカラダを動かすことがポイントです。

 

5.父山のぼり

NHKBS放送で「おとうさんといっしょ」という番組があります。長年の人気番組「おかあさんといっしょ」の父親バージョンですね。その「おとうさんといっしょ」で知った「父山のぼり」という親子体操も、我が家では人気アトラクションになっています。お父さんがうつ伏せになって寝転がり、その上を子どもがバランスをとりながら歩きます。腿から腰、肩まで歩ききったら、次はお父さんがひざを立ててお馬のかっこうをして、子どものその上に乗ります。子どもはお父さん馬に乗りながら、お父さんの肩をトントンたたきます。次に、そのまま子どもをおんぶして「ズンズンズンズン」と言いながら、段々と「父山」を高くしていきます。最後に、「1、2、3、せーの、と~さんやまのぼり~イェイ!」といって親子でピースをして完成です。言葉では分かりづらいので、ぜひNHK-BSで「おとうさんといっしょ」を観てみてください。我が家では5人の子どもたち代々と受け継がれている、伝統の遊びになっています。さらにいい点は、うつぶせになっているお父さんの上を子どもが歩いているときと、お馬の状態のときに肩をトントンとしてくれるときが、若干のマッサージになるところです。子どもたちも遊び気分でやってくれますし、大人にはちょっとだけでもマッサージになるので嬉しいです。親子で嬉しい親子体操が「父山のぼり」で、よく考えられているなあ、さすがNHKと感心しながら取り入れさせてもらいました。

 

体当たりコミュニケーションと愛着形成

翻って、私の子どもの頃を思い出すと、父親にも母親にも、うつ伏せになった親の上を歩くマッサージをよくやっていました。身体的にはバランス感覚が鍛えられますし、親が喜んでくれるので嬉しい気持ちになります。

親子がカラダを触れ合わせることは、大事なコミュニケーション方法の一つです。親子がカラダを一緒に動かすことで、心のキャッチボールを行い、互いにつながっていることを実感することで、愛されているという安心感を得られます。私はこれを「体当たりコミュニケーション」と呼んでいます。

 

専門用語では「愛着形成」(アタッチメント)といいます。愛着形成がしっかりできていると、親などの養育者を安全基地として、自発的に探索行動を行うことができます。つまり、好奇心を働かせて行動に移せるようになるのです。これは、どんなに新しいことをして失敗したり、けがをしたり、迷ったりしても、いつでも帰ってこられる場所があり、自分を守ってくれる人がいると安心しているからです。心の安全基地=港があり、いつでも停泊したり、燃料を入れたり、メンテナンスができることが分かっているから、どんなに未知の冒険でも挑戦することができるのです。

 

親子体操は、カラダを動かして新しい体感を得ることで好奇心を刺激するという身体運動からの観点と、親子で「体当たりのコミュニケーション」を実践することで、子どもに安心感を与え、愛着形成を行うというもう一つの観点からも、好奇心を大きく後押しする実践方法なのです。

 

お父さんたち、もちろんお母さんでもだいじょうぶです、ぜひ親子体操を実践してみてください!

 

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今週のお題「おとうさん」