イメージしづらい「子どもの貧困」を真剣に考えさせられるマンガ
吉岡里帆主演ドラマで放送中の「健康で文化的な最低限の生活」。原作となっている同名タイトルの、柏木ハルコ氏作品の中の漫画を、いま大人が読むべきマンガとして先日紹介した。
このマンガ『健康で文化的な最低限の生活』の最新刊である第7巻は、子どもの貧困がテーマだ。
万引きや物乞いをしてしまう、小学生低学年の子ども。決してグレた中高生の不良の話しではない。物心ついたばかりの小さな小学生だ。
なぜこの子たちは物乞いをしなければならなかったのか?
その子たちの母親の状況と生まれ育った環境。さらにその親はどうだったのか。そこには「貧困の連鎖」という言葉だけでは理解できない、複雑な難しさがある。
この物語も脚色されたフィクションというより、実際に日本社会に存在する現実に近い。私も日本財団で子どもの貧困対策に取り組んでいるが、実際にそういったケースは珍しいことではないのだ。
子どもの貧困というと、日本にそんなもの本当に存在するの?昔はもっと貧しかったでしょ。大した問題じゃない、と思う人も少なくないだろう。しかし、問題は複雑で、現実に存在する。苦しんでいる子どもはこの日本にたくさんいるのだ。
イメージしづらい子どもの貧困問題を考えるさいに、ぜひ読んでおきたいマンガであり、参考図書だ。
(145)今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。: 貧困の連鎖を断ち切る「教育とお金」の話 (ポプラ新書)
- 作者: 本山勝寛
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2018/02/09
- メディア: 新書
- この商品を含むブログを見る