まなブロ by 本山勝寛 教育イノベーター・日本財団子どもの貧困対策チームリーダー

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団子どもの貧困対策チームリーダー。『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』 『最強の独学術』等著書多数。

いま大人が読むべきマンガ『健康で文化的な最低限度の生活』

吉岡里帆主演のドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」が、フジテレビ系列で火曜日21時に放送中だ。生活保護をテーマにした社会派ドラマは、同名のマンガを原作としている。

 

昨今、「生活保護」という言葉をニュースで見聞きすることが増えた。突然の失業や病気、離婚などで働けなくなった人々に、政府が最低限の生活費を支給する制度だ。その理念となっている日本国憲法25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という条文は、学校の社会科の時間でも習う。

 

とはいえ、他人事のようにも思えるし、具体的に何であるのかはよく分からない。柏木ハルコ氏によるこの作品は、まさにこの憲法25条をタイトルとし、生活保護という難題を題材にした意欲的なマンガだ。

 

公務員として区役所生活課に配属された、ちょっと頼りない新人職員が、生活保護の現場で悪戦苦闘するストーリー。失業と貧困による自殺、倒産による借金生活、DVで離婚し親の介護も抱えるシングルマザー。驚きと戸惑い、共感と義務感、同情と制度の間の葛藤を抱えながら、一人ひとりの事情と生活を見つめていく。 

 

現在、日本では約210万人の人々が生活保護を受けている。それに、自分の家庭でもいつ失業や病気、離婚といった問題に直面するか分からない。決して他人事ではない問題なのだ。重要だけど、触れにくく難しい問題。それを学校の授業やニュースのように重苦しくなく、マンガという表現によって分かりやすく、興味がもてるように楽しく描かれている。生活保護や貧困という社会課題に関心を持ち、ケースワーカーや公務員の仕事も学ぶことのできる、大人こそ読むべきマンガだ。

 

日本財団の「これも学習マンガだ!」にも選出されている。今回ドラマ化され、より多くの人にこのテーマを考えるきっかけができたことは一ファンとしてうれしい。

 

ぜひマンガ原作も読んでみてはいかがだろうか?