本山勝寛:まなブロ

独学で東大、ハーバード大学院に合格し、国際教育政策修士課程修了。アジア最大級の国際NGOである日本財団で、教育や福祉、NPO支援に携わり世界中を駆け回っています。日本と世界に「学びの革命」を起こすべく、学びのススメを綴ります。 『最強の独学術』https://www.amazon.co.jp/dp/447979610X/

中東からの海外留学生数が伸びている

最近の各国別の海外留学生数を見ると、中東諸国、特にサウジアラビアの伸びが際立っている。私がハーバードに留学していた2007年頃は、中国、インド、韓国からの留学生が圧倒的に目立っていた。留学という視点から見えてくる、アジアの「ライバル国」の勢いに対して、日本はこのままでだいじょうぶなのか焦りを感じたものだ。

一方、2012年(UNESCO)の各国の海外留学生数は以下の通り。

1 中国 694,365
2 インド 189,472
3 韓国 123,674
4 ドイツ 117,576
5 サウジアラビア 62,535
6 フランス 62,416
7 アメリカ 58,133
8 マレーシア 55,579
9 ベトナム 53,802
10 イラン 51,549
11 トルコ 51,487
12 イタリア 51,236
13 ロシア 51,171
14 ナイジェリア 49,531
15 カナダ 45,509
16 モロッコ 44,161
17 カザフスタン 43,039
18 ベラルーシ 40,643
19 ウクライナ 39,627
20 パキスタン 37,962
21 インドネシア 34,999
22 日本 33,751

中国、インド、韓国が上位であることに変動はないが、4位ドイツに次いでサウジアラビアが6万人強と5番目につけている。さらにはイラン、トルコ、モロッコなども4万人から5万人と、3万3千人で22番目の日本よりもずっと多い留学生を輩出している。

特にサウジアラビアは、「アブドラ国王奨学金」という海外へ留学する自国の優秀な学生に対する手厚い奨学金を大規模に展開している。これを受けて、留学生数は近年さらに急増しており、別のレポートによると現在12万5千人がフルスカラーシップを受給しているという。奨学金総額は実に17億ユーロ、約2300億円だ。この勢いが続けば、留学生数で韓国を抜き、インドに迫るのも遠くない。

先日は、「これからはイスラム人口が伸びる」という記事で、イスラム教人口は現在で世界の4人に1人、2050年には3人に1人になると書いたが、留学生数という切り口からもこの潮流ははっきりと見てとれる。

日本も「グローバル人材の育成」が叫ばれ、海外への留学生数を増やそうと取り組んでいるが、なかなか目に見える成果が出ない。一方、日本に受け入れる外国からの留学生は手厚い日本政府の奨学金もあってか、総数は13万人と比較的多いものの、中国と韓国に偏っている。もっとインドやブラジル、中東やアフリカからの留学生獲得に力を入れるべきだ。いま一度、インとアウトを含む留学戦略を見直し、人材育成に真剣に取り組まなければ、日本の将来が危うい。

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