まなブロ by 教育イノベーター本山勝寛

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団子どもの貧困対策チームリーダー。『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』 『最強の独学術』等著書多数。

レゴはなぜ世界で愛され続けているのか

レゴはなぜ世界で愛され続けているのか 最高のブランドを支えるイノベーション7つの真理

レゴはなぜ世界で愛され続けているのか 最高のブランドを支えるイノベーション7つの真理

私は塾も家庭教師も通信教材(進研ゼミやZ会)も一切やったことがないが、地頭を鍛えるのに役立ったと思っている「三種の神器」だけはかなり使い込んだ記憶がある。すなわち、レゴ、学習マンガ、そしてトランプ(特に大貧民)だ。以前の記事「子どもの学びを加速するエデュテインメント10選」でも書いたが、これらをひたすら楽しんでいるうちに、いつの間にか数学や図形処理、歴史が得意になっていた。

20年、30年が経ち、今では子どもたちと一緒にレゴを楽しんでいる。特に5歳の息子はかなりレゴ好きで、幼児用の大きめのブロック「デュプロ」を巧みに操り、動物や爬虫類、昆虫や乗り物などをつくり親子で対決するのが大の楽しみになっている。

そんな親子二代以上で愛されつづけているレゴだが、今や年間売上4500億円、営業利益1500億円、玩具メーカー2位の世界的企業に成長している。タイヤの生産量もブリジストンを抜いて世界一だとか。順調に成長してきたのかと思いきや、実は2003年には赤字を出すほどの低迷期も経験している。デンマークのベルンという片田舎から生まれたレゴ社の創業のDNA、そしてゲームやPCといった刺激的な玩具が子どもの人気を博すなかでブロックから離れた全く新しい商品のチャレンジが逆に裏目に出て失敗した低迷期、その後創業のDNAに立ち返りながらも効果的にイノベーションを実現しV字回復を果たした近年の復活劇をまとめたのが、新刊『レゴはなぜ世界で愛され続けているのか』だ。

レゴファンとしてレゴの歴史を知るという意味でも、今やアップルと比されるほどブランド回復を果たした企業の経営書としても楽しめる。興味深いのは、デンマーク語の「よく遊べ」"Leg Godt"からLEGOという社名が生まれ、創業時から「子どもには最高のものを」が企業理念だったこと。今や組立型知育ブロックは他社もかなり多数の種類が出されているが、組み立てたときにカチッとはまり、壊れにくいというクオリティの高さはレゴがピカイチだ。そして、だからこそたくさんのブロックを無限に組み立てて世界を創り出すことができるのがレゴの最大の魅力だろう。

2004年以降の復活劇ではこのDNAに立ち返るとともに、幼児向けのデュプロや、レゴを使ったボードゲーム「レゴゲーム」、レゴとロボットを組み合わせたレゴマインドストームなどが新たにヒットしている。両者とも日本ではまだそれほど普及していないようだが、特にレゴゲームはいずれヒットするのではと踏んでいる。

レゴ (LEGO) マインドストーム EV3 31313

レゴ (LEGO) マインドストーム EV3 31313

今後、アジアや新興国で知育玩具市場、エデュテインメント市場はさらに急成長するだろう。そのなかで、レゴがリーディングカンパニーの一つであることは疑いの余地がない。創業のDNAを貫きながらも今後どのようなイノベーションが生まれるか楽しみだ。

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