まなブロ by 本山勝寛

「学びのエバンジェリスト」本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団子どもの貧困対策チームリーダー。『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』 『最強の独学術』等著書多数。

日本には女性議員も少ないが、障害のある国会議員はゼロという現実

日本は海外に比べて女性議員が少ないとよく指摘される。衆議院(下院)の女性議員割合は25年12月現在8.1%(39人)で、世界平均22%を大きく下回り188か国中158位(平成25年10月現在)。参議院は16.1%(39人)と衆議院よりもやや多い。

地方議会では、女性議員の割合が最も高い特別区議会では25.9%,政令指定都市市議会は16.5%,市議会全体は13.1%,都道府県議会は8.8%,町村議会は8.7%となっている。下の表(内閣府ホームページより)を見ると分かるように、上昇トレンドにあることは確かなのでこれをより加速させていく必要がある。

世の中の約半数は女性で構成されているわけで、国民の意見を代表する議員もそれに近い割合が女性であるべきという考えは当然だ。

これと同様に考えると、心身に何らかの障害がある方は世界で15%、10億人いるとWHOが推計しているが、そのくらいの割合で障害者にも代表権が付与されていなければ望ましい社会とはいえない。日本の統計では身体、精神、知的を合計すると約740万人、全体の6%が何らかの障害を有している。この6%に近い割合で障害のある議員が選出されることが、多様な人々が生きる実際の社会をより忠実に反映していることになる。

しかし現実を見ると、日本において障害をもつ現職の国会議員はゼロである。地方議会でもあまり多くなく、最近ヤジ騒動が起きている都議会でもゼロだ。一人でもいるのかゼロなのかという違いはかなり大きな違いだ。障害者に配慮した政策は近年大きく進められてきているが、やはり当事者でなければ分からない視点があることは確かだ。女性議員に対してそうであるように、障害のある方の立候補や選出に対して見えない障壁がないか、たとえば情報のアクセシビリティは保証されているか、教育や雇用の機会が制限されていないか、注意深く検証し環境を整備していく必要がある。

私は今、アジア防災閣僚会議でタイのバンコクに来ているが、そこで障害者インクルーシブな防災を世界的に推し進められるよう働きかけている。関連のサイドイベントを開催するなかで、タイの下院議員を務められた、モンティエン・ブンタン氏にもスピーチをしてもらった。氏は生まれつき視覚に障害がある全盲の方だ。タイで下院議員(最近のタイの政争で下院議員は全員解任されたそうなので今は元職という位置づけになる)だけでなく、国連障害者権利委員会の委員も務められ国際的に活躍されている。

こういった方々にお会いすると、何らかの障害のある方というのは、また別の能力をもった方でもあるということに気づかされる。たとえば、目の見えない人は文字を目で読めないかもしれないが、点字やスクリーンリーダーで読むことができる。逆に、目の見える人の多くは点字を読むことができない。また、目の見えない人は暗闇でも物事を察知したり、高い聴力をもっていたりする。それぞれ能力に違いがあるだけであり、その多様性から障害者は社会のイノベーターとなり得ると私は思っている。

障害があってもなくても社会を構成する一員だ。そして、私たちは事故や病気、老齢によりいつでも障害者になり得る。障害のある議員が国会においても、地方議会においても、もっと増えていってほしい。そのほうが、女性や子ども、お年寄り、病気を抱える人たちにとってもやさしい社会をつくれるのではないだろうか。

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