まなブロ by 本山勝寛 教育イノベーター・日本財団子どもの貧困対策チームリーダー

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団子どもの貧困対策チームリーダー。『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』 『最強の独学術』等著書多数。

消費税10%の前にタバコ千円

今日5月31日は世界禁煙デーだ。WHOが掲げる2014年の標語は、"Raise taxes on tobacco"「たばこ税を上げよう」だ。

日本では一時期、タバコ増税論が盛り上がったが、2010年に70円の増税が行われて以来、最近は随分と下火になっている。70円の増税で実際にタバコ税の税収が4千億円近く増加したことは昨年の記事で紹介したが、大手メディアは相変わらずあまり触れたがらない。

日本学術会議は2008年にタバコ増税による税収の推移を試算しているが、100円増税の場合7800億円の税収増としており、JT等の販売会社が便乗値上げした分を差し引いて考えると、実際に近い数値になっている。

学術会議の試算はさらに、200円増税で1.4兆円、300円増税で2兆円、1箱1000円まで増税すれば4兆円の税収増としている。4兆円といえば、来年に控えている消費税10%への増税(2%分)の税収効果にもせまる金額だ。

先日はアルコールの有害な使用が世界で年間330万人の死亡原因になっていることを紹介したが、年間1.4兆円の税収源である酒税の大幅増税と合わせれば、消費税10%増税の効果に準ずる税収増が見込める。現在の心許ない景気状況を考えると、2年連続の消費税増税は国民への大きな負担になるが、タバコ税・酒税の増税であれば景気への影響も限定的だ。国民の健康増進や医療費抑制にもつながる施策であり、真剣に検討されるべきではないだろうか。

もちろん、愛煙家や愛飲家の皆さんには厳しい政策のようにも見えるが、長期的に健康や家族のことを思えば、同じ支出で量を減らしてじっくり嗜むくらいの方が適度でよいのではないでしょうか。

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