本山勝寛 4kizフォーキッズ代表 公式ブログ | Katsuhiro Motoyama's Official Blog

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団で教育、国際支援、子ども支援事業に携わり、EdTechスタートアップを起業。 子供向けSNSフォーキッズを立ち上げる。『好奇心を伸ばす子育て』『最強の独学術』等著書多数。6児父4回育休。

2013年に読んだ学びの良書10冊

今年最後の投稿は2013年に読んだ「学びの良書」10冊です。新旧の大学論、教育×テクノロジーのedutech、そして学びの本質について、諸々と考えさせられました。巷ではedutechや英語教育の熱が高いですが、テクノロジーのイノベーションが教育のあり方を抜本的に変えようとしている今日、学びの本質をいまいちど徹底的に考察する必要があるのではと考えている今日この頃です。

天皇と東大〈1〉大日本帝国の誕生 (文春文庫)

天皇と東大〈1〉大日本帝国の誕生 (文春文庫)

文化と国家

文化と国家

良くも悪くも東大が日本を代表する大学であることは今も昔も変わらない。その東大のDNAを、「天皇」という日本近代史のもう一つの軸とともに考察することで新たな視座が得られる。特に終戦工作をしかけた東大教授たちと、戦後初の東大総長になった南原繁のスピーチは大変興味深かった。これを、きっかけに読んだ南原の講演録である『文化と国家』は、大学とは何か、学問とは何か、学びとは何かを考えさせられる今年読んだ一番の名著だったと言えるかもしれない。


新島襄 教育宗教論集 (岩波文庫)

新島襄 教育宗教論集 (岩波文庫)

東大が国立の雄なら、同志社大は日本で最初の私立大学。「八重の桜」で話題になった新島襄の教育宗教論集ということで、特に同志社大を設立するにあたって、キリスト教を土台に日本の精神となる独立自尊の人材を輩出することの重要性を訴える講演録や手紙が力強い。


湯浅八郎と二十世紀

湯浅八郎と二十世紀

私大のなかでもリベラルアーツカレッジとして特徴をもち、特に国際舞台で活躍する有意な人材を輩出してきたのが国際基督教大学ICU)。そのICUの初代学長となったのが湯浅八郎で、そのご子息に仕事でお世話になっている関係から読んでみた。昨今流行りのグローバル人材は表層のところで議論が留まっているが、日本と世界と教育ということをもっと根っこから考えるうえで示唆深い。


学歴革命  秋田発 国際教養大学の挑戦

学歴革命 秋田発 国際教養大学の挑戦

もちろん、昔のことを回顧しているだけでは今日にいかせない。近年で大学創設と教育改革に成功した例といえば、やはり秋田国際教養大学を外すことはできない。今年に亡くなられた創設者の中嶋嶺雄氏のリーダーシップは素晴らしいし、他の大学も大いに参考にすべきだと思う。


教育×破壊的イノベーション~教育現場を抜本的に変革する

教育×破壊的イノベーション~教育現場を抜本的に変革する

イノベーションの大家クリステンセンが考察する教育イノベーション論。テクノロジーの進展が教育のあり方を根本的に変えることを示唆している。私も、これからの時代は「教育から学びの時代」になるとみているが、その直感が理論的にまとめられており、興味深かった。


カーンアカデミー創設者サルマン・カーンの著作。クリステンセンの著作を実践として裏付けるような動画による学びの革命。カーンアカデミーができるまでの経緯、たとえばビル・ゲイツに注目され、多額の資金を得るくだりなどもおもしろいが、カーン氏の教育論、学びに対する考え方が思いのほか深く勉強になった。


センス・オブ・ワンダー

センス・オブ・ワンダー

環境問題をいち早く提起した「沈黙の春」で有名なレイチェル・カーソンの著作。作中にある以下の核心につきるわけだが、子どもたちと公園中を虫探ししたり、ダイオウイカに興奮したりするなかで、このことをものすごく実感した。

子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察や、美しいもの、畏敬すべきものへの直観力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。
 もしわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目をみはる感性」を授けてほしいとたのむでしょう。

人はみな「ビジネスの天才」として生まれる

人はみな「ビジネスの天才」として生まれる

今年一年は二回目の育休を取ったこともあり、とにかく子どもから学ぶことが多かった。子どもの視点で世界を見つめなおすことで、好奇心、探求欲が湧き上がり、新しい発見をたくさんした。精神面のみでなく、知的生活においても、育児が「育自」であることを実感した一年だったが、そのことを理論として後押ししてくれたのがこの著作。著名コンサルタントである著者の提示する、CQ(子ども指数=好奇心、創造力etc)の概念が非常におもしろかった。


ロビンソン・クルーソー (河出文庫)

ロビンソン・クルーソー (河出文庫)

恥ずかしながら、かの名著を初めて読んだわけだが、「無人島」の孤独な生活に悪戦苦闘するクルーソーの営みを楽しみながらも、新鮮な発見がたくさんあった。とりわけ、自然のなかに一人取り残されたという設定によって導き出される「人間の学び」について、とても面白い示唆が得られた。