本山勝寛:まなブロ

独学で東大、ハーバード大学院に合格し、国際教育政策修士課程修了。アジア最大級の国際NGOである日本財団で、教育や福祉、NPO支援に携わり世界中を駆け回っています。日本と世界に「学びの革命」を起こすべく、学びのススメを綴ります。 『最強の独学術』https://www.amazon.co.jp/dp/447979610X/

東進さん、ハーバード奨学金は今からでも改めた方がよいですよ

先日、"東進、給付型奨学金「ハーバード大学留学支援制度」創設"というニュースが流れてきてびっくりした。初めに、年間500万円給付×4年間×10人という、その大判振る舞い振りに。そして、それ以上に、その制度設計のガラパゴス的なバカさ加減に。

内容はこうだ。

奨学金給付の条件は、「全国統一高校生テスト決勝大会において総合部門で上位10位に入った生徒」「東進が人物評価面接をして資格に足りると判断した生徒」「ハーバード大学に入学する生徒」の3点を満たすこと。(中略)
奨学金は、1人あたり学費+300万円(年間500万円を上限)とし、最大10人分、4年間給付する。この奨学金制度は給付型のため、返済の義務はない。

???全国統一高校生テスト決勝大会において総合部門で上位10位に入った生徒?この時点でガラパゴスな臭いがプンプンする。そんな決勝大会があるなんて初めて知ったが、よっぽど東進のテストを受けさせたいんでしょうか。ハーバードのアドミッションズ・オフィスはそんなこと全く気にしないでしょう。せめて数学オリンピックとか物理オリンピックとかにすべきかと。

で、一番の問題は「ハーバード大学に入学する生徒」って、ほんとにハーバードだけですか?最大10人も出すのにハーバードだけ?改めて言うまでもなく、世界的にトップレベルの大学はハーバード以外に他にもある。アメリカだけでもイェール、プリンストン、MIT、スタンフォードCaltechとハーバードに劣らない大学はかなりあるし、それぞれに特色があるので、人によってはハーバードに合格しても、蹴って他の大学に行く人も少なくない。

さらに、ハーバードの学部に通う日本人は以前は4学年合わせても5人ほどとかなり少ない。最近はベネッセの海外トップスクール志望専門塾ルートHなどから輩出されるようになってきて、ようやく1学年2,3人になってきたくらいだ。しかし、大半はインターナショナルスクールや海外の高校出身の日本人であって、東進のなんとか決勝大会に出ているような人が果たしているのかどうか。1学年最大10人なのか、4学年最大10人なのかはっきりしないが、いずれにせよ、10人の枠は埋まらないだろうから、ハーバードのみに限定せず、もう少し対象の大学を増やしたほうがよい。

ちなみに、ハーバードは学部の場合、全学生がNeed-based奨学金の対象で、家庭の収入に合わせて支払えるであろう範囲で授業料が設定されている。世帯年収が6万ドル(約600万円)以下であれば授業料は無料で、それ以上でも細かく適度な授業料設定になっている。はっきり言って授業料全額を支払わなければならない学生は、それだけ裕福な家庭ということで、多額の奨学金が必要なのか疑問だ。これはプリンストン、イェール、MITなども同様で、むしろNeed-based奨学金のないトップ大学に絞った方がよっぽど意味がある。(大学院修士課程の場合は違うが、それでも私も部分奨学金を受けた:記事「極貧の私は奨学金のおかけで東大・ハーバードに行けた」)

もう一つお願いしたいのは、現在の日本の教育システムでハーバード等に合格できるのは、インターナショナルスクールや先述の超高額なルートHなどの留学進学塾に通えるような裕福な家庭にほぼ限定される。一昨年はたまたま私の母校でもある大分の県立高校、大分上野丘高校から塾にも通わずにハーバードに合格し学んでいる方がいるが、かなりレアなケースだ。東進が全勢力を挙げて、優秀な貧困〜普通の家庭の高校生に、英語をはじめとした留学準備サポートを無料で提供すれば、大きな意味のある事業になるだろう。

私も勤め先で、ミッドキャリアの研究者・実務家の海外留学/研究を後押しする日本財団国際フェローシップを担当しているが、高校生〜大学学部生にとって意味のある奨学制度を創れないか模索しているところだ。東進さんも、もし可能であれば、「ハーバード奨学金」は再検討とまではいかないまでも、「10人枠」の予算が余った分でいい奨学プログラムを一緒に創りませんか?

いつやるか?

今でしょ!

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