本山勝寛:まなブロ

独学で東大、ハーバード大学院に合格し、国際教育政策修士課程修了。アジア最大級の国際NGOである日本財団で、教育や福祉、NPO支援に携わり世界中を駆け回っています。日本と世界に「学びの革命」を起こすべく、学びのススメを綴ります。 『最強の独学術』https://www.amazon.co.jp/dp/447979610X/

労働生産性と創造性を高める鍵はイクメンにあり?


先日、ブロゴス上で団藤保晴氏が「国際成人力調査で優秀だった日本の欠陥がまた判明」という記事でも引用していたが、「国際成人力調査」の知的好奇心に関する国際比較がいろいろと興味深かった。この分析を行ったのは教育社会学を専門とする舞田敏彦博士で、彼のブログ「データエッセイ」は様々なデータ分析の記事がアップされており、大変おもしろい。

で、興味深い点というのは、OECDの国際成人力調査(PIAAC)で日本の平均点がトップだったことが多くの報道で話題になったわけだが、「私は新しいことを学ぶのが好きだ」という知的好奇心を表す設問では、「とてもよく当てはまる」あるいは「よく当てはまる」と回答したのが日本は4割程度に留まり、参加国中下から2番目だったとのこと。そして、知的好奇心も高く、かつ大人の学力も高いのがどこだったかというと、フィンランドスウェーデンデンマークノルウェーと軒並み北欧諸国なのである。

最近は15歳の国際学力調査PISAにおいて、フィンランドの順位が下がったため一時期のブームは冷めた感があるが、北欧型の知的好奇心と学力を両立させ、継続させる取り組みは、もっと研究されるべきであるように思う。

時間当たりの労働生産性でも、これらの北欧諸国は日本よりも上位に位置し、世界1位のノルウェーなどは81.5ドルと日本の41.6ドルに対して約2倍にもなる(2011年)。北欧諸国は福祉国家というイメージがあるが、解雇規制などはほとんどなく、その代わり生産性の高い分野へ労働人口が移動することを促し、求職中のセーフティネット職業訓練生涯学習を促しているのである。

それで、これからは仮説と推論になるが、これらの北欧諸国は同時に子育て支援に対しても手厚く、男性の育児も積極的なイクメン大国なわけだが、そのイクメン度が大人の知的好奇心や労働生産性に寄与しているのではないかと思うのである。

私は以前の記事「IQ,EQより重要なCQを伸ばすには子育てがもってこい」で、子育ての経験こそ創造性と好奇心=CQを伸ばしビジネススキルを高める最適な方法であると述べた。実はこれを地で行ってるのが、男の育休取得率90%で、時間当たりの労働生産性がダントツ1位のノルウェーなど北欧諸国なのではないだろうか。北欧諸国では、育休取得者の方が出世している(役員になっている割合が高い)という調査もある。

もちろん、北欧の労働生産性の高さは単に男の育休取得によって促されているわけではないだろうが、ワークライフバランスの観点から仕事の効率や生産性を重んじ、女性や子育て世代なども働きやすい多様性のある職場環境から生まれる創造性を取り入れることで、成長の原動力が生まれているのではないだろうか。

先日、平日に会社を休んで、子どもたちの幼稚園も休ませて、デンマーク発のレゴのテーマパークであるお台場のレゴランドで思いっきり遊びながら、そんなことを考えてみた。

写真: レゴランドのレゴでできた東京の町