本山勝寛 4kizフォーキッズ代表 公式ブログ | Katsuhiro Motoyama's Official Blog

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団で教育、国際支援、子ども支援事業に携わり、EdTechスタートアップを起業。 子供向けSNSフォーキッズを立ち上げる。『好奇心を伸ばす子育て』『最強の独学術』等著書多数。6児父4回育休。

堀江さん、出所者を集めて社会起業しませんか!?

仮釈放された堀江貴文氏のもとに、田原総一郎氏がすぐさま駆けつけてインタビューをした記事を読んで、予想外の爽やかな気分を覚えた。収監直前に対談し、「出所するときは必ず迎えに行く」とした両者の約束。その約束通り、堀江氏が仮釈放後に、第一に田原氏に電話をかけたことで実現した今回のインタビュー。そのクライマックスが以下の二人のやり取りだ。

そして今回、仮釈放された彼に聞いた。事件について、「検察についてどうおもうか」と問いかけると、こう答えた。
「田原さん、もういいんですよ。」
堀江さんの目は、いま前しか向いていない。前に向かって走り始めようとしているのだ。

検察について何の釈明もせずに、「もういいんです」と言った堀江氏の言動に、(上から目線になって恐縮だが、)堀江氏の成長を、そしてやや大げさだが、一種の「達観」というか「悟り」のようなものを感じさせられた。

私は、ブイブイ言わせていた頃の堀江氏と、それ以上に、彼を持ち上げるだけ持ち上げて、最後は地に落とすことで稼いだメディアのやり方が好きではなかった。でも、今回の印象は違う。単に、体が痩せただけではない、何らかの変化が堀江氏の中に起きたことを感じさせる一言だった。確かに、こういった言動すら、人生経験を積んだ彼の計算の内という見方もあるに違いない。たとえそうだとしても、本音だろうが建前だろうが、その経験を社会にいかしてほしい。

刑務所は人生の大学だと言った人もいる。大物になる人物は、牢獄か、大病か、極度の貧困(または倒産、失職)を経験しているともよく言われる。スティーブ・ジョブズは後者の2つを経験してアップルを再生させた。吉田松陰は牢獄で孟子の講義を行った原体験をもとに、仮釈放後、松下村塾を始めた。仮釈放されたばかりの堀江氏を、今すぐに持ち上げ過ぎることも禁物だが、再び挑戦しようとすることが素晴らしいことであれば、何の色眼鏡もつけずに評価すべきだと思う。

そして私は、田原氏と同様、堀江氏が語った社会的課題への問題意識に注目したい。所内で高齢の受刑者を介護していた堀江氏は、高齢の受刑者の多くが刑務所を出たり入ったりしていたことに気づいた。刑期を終えて出所しても、まともな仕事につけずに、また犯罪を繰り返す。そうした負のサイクルを目の当たりにしたという。そして、「このままではいけない、なんとかしたい」と語った。このことは記者会見でも表明している。「刑務官の方から、『一回刑務所に入った人の再犯率は5割超えてるんだ』という話をされたとき衝撃を受けたんです。こういった人たちが、社会で立ち直れないで、また刑務所に戻ってしまうのは、社会的には損失だなと思っていまして」――こういった現場で感じたリアルな問題意識、原体験は非常に大きい。

堀江さん!
なかなか経験できない機会を通して得たその想いを、ぜひともかたちにしてください!
斬新な発想力と行動力で、ぜひとも深刻なる社会課題の解決に取り組んでください!

その一つの方法として、出所者を積極的に雇用する会社を起業してみませんか?あるいは、出所者の起業を支援するベンチャーキャピタルも考えられるかもしれません。いわゆる社会的起業ではありますが、堀江さんらしい大胆な展開を期待します。政府もNPOもできなかったことを、ぜひともやってみてください。宇宙ビジネスと同じくらい、価値のある大きな夢だと思います。

最近、関西の飲食店など7社と日本財団が共同で、出所者を雇用する「職親プロジェクト」を立ち上げました。5年間で100人の受け入れを計画していますが、堀江さんであれば、もっと斬新で大胆な事業を起こすことはできないでしょうか?協力できることがあれば、いつでもご連絡をお待ちしています。そして、今後の挑戦を期待しながら、注視させていただきます。

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