本山勝寛 4kizフォーキッズ代表 公式ブログ | Katsuhiro Motoyama's Official Blog

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団で教育、国際支援、子ども支援事業に携わり、EdTechスタートアップを起業。 子供向けSNSフォーキッズを立ち上げる。『好奇心を伸ばす子育て』『最強の独学術』等著書多数。6児父4回育休。

子どもたちに「誰が一番好き?」と聞かれたら〜亡き母の手記

最近、家族のことを振り返るため、父に亡き母のことを尋ねてみました。すると、20年前に他界した母の生前の手記が出てきました。28年前、ちょうど私自身が私の長男と同じ4歳の頃のものです。自分たちの子育てにとても参考になる、母から贈られた子育て秘話のように感じました。皆さんにもご参考になるかもしれません。以下、その一部を紹介します。

                                                                                                  • -

「誰が一番好き?」


(写真:筆者の家族、左前が筆者)

 子供が五人いますので、それぞれに合った対応に心がけるとともに、何事においても平等に接するように努めています。
 長男のMくん(九歳)は創造力の豊かな子です。本が大好きな子ですが、小学校に入ってからはマンガをよく読むようになりました。私も小さいころはマンガが好きでしたので、子供にも読ませてあげたいのですが、最近は教育上良くないものも少なくありません。そこでいろいろ考えた結果、「マンガ日本史」をシリーズでそろえてあげました。この影響で、歴史や偉人伝などに自然に興味をもつようになりました。
 長女のFちゃん(八歳)は努力型でしっかり者。よく気が付き、私の方が教えられます。この子が「お母さん」という作文を書きました。「お母さんには優しい時と怖い時がある。しかる時のお母さんは大嫌い。お母さんはいつも忙しい。だって子供が五人もいるんですもの」。これを読んで、忙しさのあまり、ついつい□やかましくなったり、寂しい思いをさせたりする愚かな母親であったと、とても反省させられました。
 社交的な次男のYくん(五歳)とき帳面な三男の勝寛くん(四歳)は対象的。年が近いせいか仲が良いのですが、その分けんかが絶えません。ある夕飯の時、全員がいる前でYくんが。
 「お母さん、五人のうちで誰が一番好き?」と尋ねました。「みんなお母さんから生まれたんだし、みんな神様の子だから、みんな好きよ」と答えても納得しません。そこでこの子を別の所に呼んでだっこして「Y君が一番好きよ」と小さい声で言ってあげるとやっと満足していました。
 この四人に次女のYちゃん(二歳)を加えて、毎日わが家は戦場のようです。夜、休む前に話をしたり、本を読んであげたりするのが、子供だちとの貴重な触れ合いの時です。
 主人が渡米して一年。子供には甘い方だったのですが、今は父親と母親の上役をしなければならなくなり、悩みも増えました。どこまで厳しくしたらいいのかと自信を失ってしまった時期もありました。
・・・
しかし、親が神様のため、世界のために頑張っていれば、子供は神様が守り、育ててくださるということを確信することができ、心から感謝しています。

                                                                                                  • -

「お母さん!おれに内緒で兄貴とそんなことしてたのか!」ともちょっと嫉妬しましたが、むしろ自分にもそうやって抱きしめて言ってくれているようで、母のぬくもりを思い出しました。
もし子どもたちに聞かれたら、真似してみようと思います。というか、むしろ母親にそうしてほしいでしょうから、私の帰国を待つ妻に早速メールしました。

ところで、私が大好きだった夜寝る前の母の読み聞かせが、母にとっても大切な時間だったんだということを、この手記を読んで初めて知りました。

それに、一冊の本にまでなった拙著『マンガ勉強法』が、母の子育ての工夫から生まれたものであったことも初めて知りました。

頭がよくなる! マンガ勉強法 (ソフトバンク文庫)

頭がよくなる! マンガ勉強法 (ソフトバンク文庫)


今の私は母なくしてはあり得ません。
お母さん、ありがとう。

当ブログを応援して下さる方は1クリックお願いします→人気ブログランキング        ↑↑↑連載「学びの哲学」の書籍化に向け、皆さんの1クリックで応援をお願いします!